2010年09月15日

ソープランドの浴槽に浮く大便

「クリーンな政治」をめざすといわれている菅直人さんは若い頃、やはり「政界浄化」をうたった市川房枝さんの選挙事務局長だったそうですが、世間では市川房枝さんが菅直人さんのことをあまり良く言っていないことが指摘されているようです。

菅氏は昨年(1976年)12月5日の衆議院選挙の際、東京都第7区から無所属候補として立候補した。この時は立候補を内定してから私の応援を求めて来た。彼等の意図は理解するが、衆議院の無所属は賛成できないので推薦応援はしなかった。然(しか)し50万円のカンパと、私の秘書、センター(民主政治をたてなおす市民センター)の職員が手伝えるよう配慮し、『自力で闘いなさい』といった。ところが選挙が始まると、私の名をいたる所で使い、私の選挙の際カンパをしてくれた人たちの名簿を持っていたらしく、その人達にカンパや選挙運動への協力を要請強要したらしく、私が主張し、実践してきた理想選挙と大分異っていた。

「復刻 私の国会報告 市川房枝」


しかしそれは菅さんの「人格」のなせる技であります。人格などは人それぞれとはいえ、はやり菅さんもやみくもに市川さんを応援していたわけでもありますまい。

市川さんが「浄化」しようとしたのは「政界」に限りません。「性界」の方の「浄化」にも大いに貢献しておられたものです。たとえばいわゆる「風営法」、正式には現在では「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」と称し、警察の方ではこれを略して「風適法」と言いたがりますが、僕はこれを「風規法」と言っております。この法律の第2条第6校1号「浴場業(公衆浴場法 (昭和二十三年法律第百三十九号)第一条第一項 に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」はいわゆる「ソープランド」のことですが、これが風営法に規制されるに当たっては市川さんの並々ならぬ努力があったといわれております。

ソープランド、当時は「トルコ風呂」と呼ばれておりましたが、その歴史は1951年の「東京温泉」に始まるとされています。戦前から性的サービスが行われる「トルコ風呂」と呼ばれる営業が存在したと言われていますが、1951年に始まるモダントルコの歴史によれば、1953年には既に手指による「おスペ」が呼び物となっていたようです。

1958年の売防法施行により、そっち方面のおねいさんが多数業界に参画されたわけですが、東京オリンピックを目前にした1964年、風営法、当時は「風俗営業等取締法」、現行法との区別のために「風取法」といいますが、この法律の「等」のところでもって「トルコ風呂」を取り締まることを市川さんは俄然主張されたわけです。

 警察に対してもう一つ伺いたいのは、トルコ、これはヌードもそうかもしれませんが、トルコについてはさっき申し上げましたトルコ協会の会報なんかを見ますと、オリンピックがくるに際して大いにかせ、こうといいますか、もうけようといいますか、外国人も引っぱろうというような意図が出ているわけです。これが健全な営業ならそれはまことにけっこうなんですけれども、現状のトルコぶろの状態でそういうことになっては非常に困るのではないか。いわゆるオリンピックと関連してのそういう問題、風俗営業の問題、まあトルコぶろだけではないのですが、どういうふうにお考えになって御計画になっておりますか。長官から伺います。

第46国会参議院地方行政委員会における警察庁長官江口俊男に対する質問


実際に「風取法」が改正されるのは1966年のことになりますが、オリンピックを機に警察権限が極めて広範囲に拡大するにあたって、市川先生のご尽力まことに大であったことは特筆されてしかるべきでしょう。

市川房枝さんは現代ではアグネス・オカルト・チャンさんに相当するのかもしれませんが、やはりこの点では同じく東京にオリンピックを誘致しようとして歌舞伎町の「浄化」を図った石原慎太郎さんこそが、市川さんの正統な後継者であると言えるでしょう。そして菅直人さんは、この石原さんとも浅からぬ因縁で結ばれているのだといいます。

◇東京都議会民主党の資金集めパーティーが11月27日夕、東京・新宿の京王プラザホテルの5階大宴会場で開かれた。民主党都連会長を兼ねる菅直人副総理がマイクを握った。


 「先だっても都知事(石原慎太郎)のほうから、ぜひ菅さんに民主党東京都蓮会長だから会いたいというので、その日に会いました。私は、石原知事とは結構、古いいろんな縁はあるんです。けれど、政治的には、どういうわけか、一度も応援をしたこともないし、一度も応援をいただいたことはない。が、多少、気の合うところもないではないんです」


 要領の得ない話であった。この場で、石原慎太郎との間柄になぜ菅氏が触れたのか。参会者には知る由もなかったろう。だが、最近、菅氏と石原氏の元秘書で鹿島執行役員の栗原俊記氏とが接近しているとの噂を耳にしている関係者は、菅氏の話に聞き耳を立てた。


◇この夜の菅発言には、事実と事実に反する部分がないまぜになっていた。「古い縁」は間違いがない。


 石原慎太郎氏は1968年7月の参院選で全国区に自民党公認で立候補、初当選。太陽族を生んだ芥川賞作家の政界入りは話題で、石原は300万票を超える大量得票でトップ当選した。政治評論家の飯島清が采配した石原陣営の集票マシーンは「日本の若い世代の会」。大学生など若者が「日の丸」を旗印に「石原」を叫んだ。全国を東西に分けて、西日本は大阪を拠点に当時関西大学生だった浜渦武生(のち石原秘書、都副知事)らが、東日本は東京を中心に当時一橋大生の栗原俊記(のち石原秘書)らが取り仕切った。栗原氏らの「日本の若い世代の会」東京事務所に当時、東京工業大の学生だった若き日の菅直人の姿があった。市川房枝女史の選挙を手伝い、ノンセクト市民派を看板に菅氏が本格的に政治の世界に足を踏み入れるのは、この後のこと。市民派を名乗る前の菅氏は「日の丸」派だったということになる。

「菅直人と石原慎太郎を結ぶ点と線」2009年12月1日
永田町プレスクラブ


もうお分かりかと思いますが、「市民派」だろうと「日の丸派」だろうと、菅直人さんにおいては矛盾はないのです。右も左もありません。市川房枝さんと石原慎太郎さん、そして菅直人さんは「浄化」のとりもつ「クリーン」な縁で深く結ばれているのであり、それは原口さんの言う「日の当たるところを歩いてくる優等生的な政治」の系列なのです。

まあ、石原さんが「優等生」であるかどうかは些か問題となりそうですが、しかし、このような「浄化」は、別段「汚いもの」を「クリーン」にするものであるとは限らないのが困ったもんです。ソープランドの長年使用していないスチームバスの中はあまり「クリーン」とはいえないかもしれませんが、その衛生は何も「風営法」の適用を待たずとも公衆浴場法の範囲で十分に保持することができたのです。えてして「浄化真宗」の門徒は、別段クリーニングの必要のないところに、首も突っ込まずに、よく知りもしないで浄化の必要を声高に叫んだりするものです。

むしろ本当の「不潔」よりも「不潔だという噂」、「人から不潔だと思われること」が問題になっていたりするので、実は典型的な神経症の一種であるともいえるのですが、最近になってその極端な例を僕たちは知ることになりました。

【ウェブ特報】札幌連続女性暴行「容疑者の実家」ネットデマ 電話攻撃の全容(1)「違うって証拠あるのか」

 8月に札幌で発生した連続女性暴行事件(後に一人は死亡)で逮捕された男と同姓の江別の不動産業者が、インターネット上で「容疑者の実家」と事実無根のデマを流布された問題は、この業者が10万枚の打ち消しチラシを配布、業界団体も文書を出すなど、地域ではうわさも収まりつつある。また、ネット上でも新たな書き込みはなく終息してきた。

 被害にあった外山不動産の外山美喜雄社長(60)は 「地域や業界の人たちの協力に感謝します」と、少しほっとした様子だ。事件発生直後には「抗議電話」が立て続けに鳴り、精神的にかなり落ち込んだという。今回はその電話の一部を録音した内容を、同種のトラブル予防の観点から外山社長の承諾を得て掲載する。

 電話は8月26日午前11時半にあり、応対に出た社員に対し「社長を出せ」の一点張り。社長に代わると「こんな事件を起こしてよくも恥ずかしくないな。ネット掲示板にお宅の息子と書いてある」と話し、容疑者と無関係との説明を聞いても延々抗議を続けた。異変を察した長男の常務が機転を利かせて途中から録音。抗議してきた相手は女性とみられる。


社長「インターネットのどこで見ましたか」
女性「いや、●●(ネット掲示板の名称)の」
社長「●●でしょ。それ違いますから。今、違いますからというのを(削除要請を)流しましたので」
女性「うん、それはあなたが違うといっても、その証拠が出ないと。息子さんが1人なのか2人なのかも分からないし」

社長「じゃあ、調べるなら、調べて下さい」
女性「(声を荒げて)いや、調べて下さいじゃなくって。ネットではそういうことになっちゃってるから。あなたの息子さんって。それを、私が、あなたは違うっていうけど、私があなたの言い分を信じることもないし。インターネットではそういうことに特定されちゃってるから。あなたのホームページが『こいつ(容疑者)の父親だ』という風になっちゃってるから」
社長「うちではありませんから」
女性「は?」
社長「うちではありません」
女性「それを、あなたが言ったって、私は信じることが出来ませんから」

社長「なにか、うちは(仕事の)取引してるんでしょうか? お宅と」
女性「は?」
社長「うちと取引があるんでしょうか」
女性「別に取引してないですよ。取引してなかったら、電話にも答えたくないんですか」
社長「いいえ、そんなことないですよ。調べるなら調べて下さい。うちはそう言うしかありませんから」
女性「いや、私が調べるとかじゃなくって。(かなり興奮して、一語一語区切りながら)あなたが、危機的状況に、陥ってるだけですよ、本当に。本当に違うならね」


社長「違いますよ。どうしようもないですよ、これは。だって、違うっていっても信じてもらえないんなら。うちは間違いなく違いますから。むしろ迷惑しているんですから」
女性「違う、違うっていわれたってしょうがない。それはネットでそういう風に書かれたら」
社長「じゃあ、どうすればいいんですか? あなたは何が知りたいんですか」
女性「確認をしようと思っただけです」
社長「どうぞ確認してください。うちは違うんですから」
女性「あなたは違うっていってるけれど、証拠があるわけでもなんでもないですよね! 違うっていう証拠が」

社長「じゃあ、どうすればいいんですか。どうすれば理解してもらえるんですか」
女性「いや、それはあなたが考えればいいんじゃないですか。社長なんだから。何で、私が考えなきゃいけないんですか。別に私、関係者でも何でもないのに。ただ、興味本位に電話しただけなのに。何で私が考えなきゃならないんですか」
社長「興味本位で面白がって電話されるのは迷惑ですね。うちは違うんですから」
女性「…。(沈黙の後、声を低めて)あのね、頭大丈夫?」
社長「へ?」
女性「頭大丈夫? ○○な事件だからこういうことになるんだって」
(○○は形容詞だが引用は避ける)

 通話はさらに続き、女性の「抗議」もエスカレートしていくことになるが、内容は続報で紹介する。(メディア局)

2010年9月13日 どうしんウェブ


外山さんの運命は小沢一郎さんの不幸なそれを面白おかしくなぞっているようにも見えますが、ご当人にとってはあまり面白くも可笑しくもないところでしょう。とにかく外山さんは「説明」を求められているわけですが、求めている人の方では「インターネットではそういうことに特定されちゃってるから」というのが唯一にして十分な根拠でありうるようです。それは「新聞に書いてある」「TVで言ってる」、あるいは「風紀を乱す」とか「青少年に有害」というのと同じくらい無根拠なのですが、無根拠に悪く言われることそのものが「危機的状況」なのです。

うんこが付いているからキタナイのではなく、「穢の徴」が「浄化」を誘発するようなのですが、うんこを拭くのとは違って、「徴」というのは要するに取れることがありませんから、「徴」のついた人は「えんがちょ」を切って排除することになります。そこで「浄化」は、キタナイものを隔離し、見えないところに追いやってしまおうという抑えがたい衝動となったのですが、このような人にとっては「挙党一致」などは感覚的に我慢がならないものとなる可能性があるでしょう。


posted by 珍風 at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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