2011年02月02日

エジプトの千夜と一夜

てゆーかこれが当ブログの1001回目の記事になるんだそうで、何やってんだか呆れたもんですが

エジプト、ムバラク大統領退陣へ 9月選挙に不出馬表明


 【カイロ共同】エジプトのホスニ・ムバラク大統領(82)は1日夜(日本時間2日早朝)、国営テレビで演説、今年9月に予定される大統領選に出馬せず、退陣する方針を表明した。約30年の独裁体制を続けた大統領は、100万人規模の空前の反政府デモなどで続投断念に追い込まれた。しかし、野党勢力は即時辞任を求めており、デモが続く可能性もある。

 ムバラク氏は残りの任期を平和的な権力移行や社会、経済、政治改革にあてると表明。大統領選立候補者を厳しく制限している憲法の改正を、野党などの求めに応じて進める考えを示した。

 人口約8千万人を抱える親米アラブの大国エジプトに、チュニジアの政変が波及した。イスラエルとパレスチナの和平仲介などに尽力したムバラク大統領が、民衆蜂起により退陣表明に追い込まれたことは、中東情勢や米国の中東政策などに重大な影響を与えそうだ。

 ムバラク氏は1928年、北部メヌフィヤ県生まれ。士官学校を卒業、72年空軍司令官となり、翌年の第4次中東戦争で活躍、75年副大統領に。81年10月のサダト大統領暗殺で大統領に就任した。

 内政面では長期にわたって非常事態法を維持。治安維持とイスラム勢力の封じ込めのため強権的手法を用い、民主化勢力から批判を受けていた。今年9月には大統領選が予定され、ムバラク氏が6選を目指して出馬するとの観測が出ていた。

2011年2月2日 共同


なかなかタフなジジイですが、おそらくこんなことでは誰も納得シナイ半島、これは「秩序だった移行」を目論むアメリカの観測気球でしょう。したがって今後の情勢によってはムバーラクさんには国外での恵まれた老後が用意されます。

少なくともエジプト人がアメリカに望んでいるのはそういうことでしょう。どっか余所に連れて行ってもらって、もう来ないように。エジプトで死にたいなら今すぐぶち殺すからこっちに寄越せというわけではないようですから、穏健極まると言えるでしょう。

アメリカとしてはムスリム同胞団あたりが主導権を握ることを避けたいわけですし、デモをやっている若者も別段イスラーム主義化を希望している様子もありません。しかしおそらく同胞団の皆さんはソノ気満々でしょう。エジプト人民はアメリカ経済による窮乏化と拷問に対して立ち上がったものの、背後には石打ちの意志を持ったオッサンたちが待っているのですから要注意というわけですが、こういうことはどこでもよくある話です。

おそらくアメリカにとって抑圧と資本主義の結びつきほど望ましいものはなく、それは東アジアでは有効に機能しています。そして全くの話、エジプトにおいて「イスラームの石打ちとアメリカの株式市場」の成功を阻んでいるのはイスラエルの存在だけのようです。

アメリカはこのイスラエルのために多額の軍事援助をしているそうで、直接イスラエルに大して行なわれるものが30億ドルくらいだそうですが、エジプトにも13億ドルだかの投資をしているということです。

その他にもいろいろありそうですが、ハッキリと軍事援助金として色がついているのがそのくらい、ということでしょうか。しかしこれは、考えてみればアメリカにとっては大した金額ではありません。

その程度の金額は日本からアメリカに対する軍事援助によって相殺されてお釣りが来ます。なんといっても日本はアメリカに対して1881億円もの「思いやり予算」という軍事援助をしていて、これがだいたい20〜22億ドルなんですから、全然平気です。ムバーラク政権は日本が支えてやっていたようなもんです。

ちなみに思いやり予算を含む日本の対米軍事援助は、基地交付金等及び提供普通財産借上試算を含めると約6700億円、約80億ドルの規模に達します。
http://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/us_keihi/keihi.html

これに対してアメリカの対外軍事援助は概ね80億ドル弱ですから、アメリカの平和と安全は日本のおかげです、てゆーか日本政府の在日米軍関係経費予算がそのままアメリカ政府の対外軍事援助予算になっているんじゃないか。なるほど道理で「東アジア情勢が緊迫」するわけですが、親米独裁政権の独裁者諸君は日本に足を向けて寝られませんよ。

もっともCIAが反政府活動家をエジプトに連れてきたり、エジプトの警察がアメリカ軍から拷問の講習を受けたりする分の数字はこの中に入っていないわけですが、エジプト軍は予算的にも兵器体系としてもアメリカと深く結びついていますから、「秩序だった移行」は軍を中心として行なわれることになるでしょう。しかしアメリカは「秩序」すなわち貧困と拷問を伴う「秩序」を壊さないようにそーっと「移行」することを期待しているのであり、そのような「移行」が行なわれる限り何かが解決するというわけでもないようです。


posted by 珍風 at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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