2011年02月06日

象徴拷問制民主主義

エジプト副大統領が野党と権力移行で会談−米国務長官が支持表明


 2月6日(ブルームバーグ):エジプトのスレイマン副大統領は、9月の選挙前のムバラク大統領からの権力移行を協議するため野党指導者と協議した。権力移行のプロセスは米政府や同盟国も支持を表明している。
 
 スレイマン副大統領は5日、カイロで新ワフド党などの指導者と会談。与党国民民主党(NDP)では、ムバラク大統領の次男ガマル氏が政策委員長を辞任した。

 同副大統領は6日に憲法修正の準備を目的とした25人で構成する委員会のメンバーを指名する、とエジプト国営のアル・アハラム紙は報じた。同国野党は大統領選への立候補を困難にしている憲法上の制約を緩和するよう求めている。

 米政府もこうした動きを支持するとともに、同国に圧力を掛け続けている。クリントン米国務長官はミュンヘンでの会合で、「現在事実上スレイマン副大統領がトップであるエジプト政府が公表した権力移行のプロセスを支持することが重要だ」との見解を表明した。

 エジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場でのデモは5日で12日目となったが、広場は秩序を取り戻している。エジプト政府の公式発表によると、今月2、3両日のムバラク大統領支持派と反対派の衝突では、11人が死亡した。

2011年2月6日 ブルームバーグ


スレイマンさんが副大統領になったのは先月の29日、それまではエジプトの情報機関のトップでした。これが「秩序ある移行プロセス」のスタート地点で、スレイマンさんの副大統領としての最初の仕事が「ムバーラク派」を動員して反政府デモの参加者を殺害し、ジャーナリストをぶん殴ることであったことは御存知の通りです。

ところが「アメリカの友人」イル=バラーダイーさんはスレイマンさんが暫定政権に加わることを容認しました。ちょっと待った、そいつは誰だい?俺を呼ぶなら英語風に「エルバラダイ」と呼んでくれ。

一方で「イスラム原理主義者」のムスリム同胞団もスレイマンさんと協議に入りました。これはアメリカが怖れている、と伝えられる「イスラム過激派」が存在しなかったことを示します。それは一種の「大量破壊兵器」の類いだったようですが、実際のところ相当脅かされたのではないかと思われます。しかし一方で示された宗教政党として「合法化」してもらうというエサに飛びつくことになったのではないか。

この両者は反政府派の代表でもなんでもないのですが、それだけにいち早くアメリカ主導の「秩序維持」に馳せ参じ、それぞれに分け前を期待しているところです。この「秩序ある移行」は、確かにエジプトに他の「民主主義諸国」のそれと同じような体制を約束するでしょう。つまり今までより広い人々に「セレブ」への道が開かれることになるというわけです。「トカゲの尻尾切り」にあうかと思われたムバーラクさんにさえ、「象徴」の地位が与えられるでしょう。

次を狙う「エルバラダイ」さんや同胞団の連中にとっては、もちろんそうするだけの価値があるのです。むしろこれは十二分すぎるほどだといっていいでしょう。街頭に置き去り資されたでも参加者は、これからは敵となる可能性が高く、なんとしても抑え付けなでればなりません。そんなとき、スレイマンさんこそ頼りになる男であるといえないでしょうか。

もちろん軍人であったスレイマンさんは軍からも支持されています。これは重要な点です。しかし彼は何よりも拷問請負人としてアメリカの信頼を得ていました。CIAは世界中から「テロリスト」容疑者を簀巻きにしてエジプトに空輸し、優れたスポーツマンであるスレイマンさんのスタジアムに委ねていたものです。この公認スポーツの種目は「電気ショック」、「水責め」、「殴打」、「指折り」、「吊るし責め」から「カラテ・キック」による殺害にまで及ぶものであったといいます。
http://www.crikey.com.au/2009/05/07/essay-the-many-renditions-of-mamdouh-habib/

この種のスポーツについて、エジプトではドイツ人の指導者を迎えて養成してきたようです。特にエジプト国家治安局のアリー・アル=ナシェールは改宗前の名をレオポルド・グライムというゲシュタポ幹部でした。スレイマンさんはゲシュタポ直伝のナチ式拷問の伝統を受け継ぐ正統の後継者なのでした。

したがって「エルバラダイ」さんが「野党側の多くが、スレイマン氏が大統領側近で不適格と考えていることについては「解決可能な問題だ」と述べた」(共同)のも当然です。スレイマンさんならそのような問題はスポーツマンシップに則り「体で解決可能」です。もちろん「体」そのものがどっかに消えてしまうことも珍しくないわけですが、それはそれで一種の「解決」に他なりません。

アメリカが押し付ける「解決」は「移行プロセス」ではなく従来の政治体制の「仲間を増やす」ことでしかなく、独裁者を「象徴」に頂いて私腹を肥やすアメリカのイヌが世界で一番痛いイスラームの鞭打ちと世界に冠たるドイツ科学の電気拷問でビンボー人を抑圧するという、ほとんど理想的な「アメリカの秩序」の実現なのですから、今直ぐに拒否されなければこれがエジプトの政治体制として固定されることになるでしょう。


posted by 珍風 at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。