2011年02月15日

調和と協和の国、日本

エジプト:熱気冷め、不協和音 警官隊デモに市民怒声


 【カイロ鵜塚健】市民のデモの力でムバラク前大統領の独裁体制を倒した「革命」から2日たった13日、カイロの熱狂の温度は徐々に下がり始めている。タハリール広場から去るべきか去らざるべきか、議論を続けるデモ隊を軍が押しのけ、車を通し始める。デモ隊を弾圧した警官らは市民との和解と待遇改善を求めデモ行進。ムバラク政権から任命された幹部の追放を求め、銀行員らはストを決行した。改革への熱い思いの次の矛先を探しあぐね、カイロは戸惑っているように見える。

 「政治犯の釈放が先だ」。広場に居座りを決め込んだデモ参加者が排除しようとした兵士にくってかかる。小競り合いになり、兵士が棒を振り回した。軍と市民が衝突するのは初めてだ。軍は市民が泊まり込んでいたテントの撤去作業を開始した。「新しい国づくりに向け、当面軍を信じていいのではないか」(食堂経営、マフムードさん)との声もあるが、軍主導の暫定統治でムバラク一派が居残るのではないかと疑問を呈する人もいて、果てしない議論が続く。

 地元メディアによると警官隊が隊列を組み賃上げを求めてデモを始めた。「市民と警察は手を携えている」。つい先日まで、デモ隊に催涙弾を撃ち、暴行した警官隊の主張に、「非人間的な行為をやったのはおまえらだ」と市民から怒鳴り声があがる。「すべて上からの命令でやったんだ」。あまりの怒りの激しさに泣き出す警官もいる。軍はデモを解散するよう指示し威嚇射撃した。内務省前に移動した警官らにワグディ内相は、「チャンスがほしい」と待遇改善への努力を約束した。内相は警官らが市民への暴行で訴追されないことも示唆した。

 広場では銀行員らが「(幹部は)去れ」と大声をあげる。ムバラク前大統領に指名され、高額な報酬を得る幹部への不満が爆発したのだ。教職員組合の男性らが「権力にコントロールされるのはごめんだ」と叫んだ。

 ムバラク前大統領を倒して自由を得ることでは一致していた市民の次の目標は多様だ。一体感を取り戻そうと、デモ隊は18日の金曜礼拝の日に「勝利の行進」を予定している。

2011年2月14日 毎日新聞


鵜塚さんには気の毒ですが、これは「不協和音」ではありません。ついこの間まで不当逮捕と拷問にあけくれ、民衆をいじめてきた警察官が「便乗」しようとするのを許さないのは当然のことでしょう。エジプトでは政府系銀行、国営鉄道、石油省、保健省などでデモが発生しており、その要求はムバーラクさんに気に入られて高待遇を得ていた幹部を追い出し、一般職員の待遇を改善することです。彼らは自分の職場のミニ・ムバーラクを追放しようとしているのです。

一般に長期政権は社会の隅々にまでその影響力を及ぼしており、特にお役所関係では旧政権と良い関係を築いてきた人がトップにいるものです。そういう人たちを放っておくとロクなことになりません
。彼らはすべての変革に組織的に抵抗し、やがて反撃に出てリベンジを果たしてしまうでしょう。ムバーラクさん一人が辞任したからといってそれですませるわけにはいかない道理です。

先日鳩山さんは、外務省や防衛省の官僚連中が県内移転に固執しててダメだったみたいなことをボヤいていましたが、それこそ「政権交代」が進行していなかったということに他なりません。日本では民主党が選挙に勝って、それで満足してしまいました。国民がそれで気が済んでしまったようなのは残念ですが、民主党自身がそれで「終わった」と思ってしまったのが敗因でしょう。

それでも小沢さんなどは旧政権の集票マシーンを奪取すべく努力していたようですが、追いつきませんでした。何よりも旧政権に忠誠を誓ったからこそ出世して偉くなっている官僚やマスゴミをどうすることもできなかったのは、公務員の組合を動かすことのできる可能性があり、マスゴミ内部にもシンパが多く存在した民主党であっただけに残念な展開であったと言えるでしょう。

その意味で「組合に乗っかっている民主党に公務員改革ができるのか」と言った橋下さんは誤っており、「組合に乗っかっている」にもかかわらず「改革」ができなかったことの方が問題であったりします。まあ、民主党にはそんなつもりはさらさらなかった、あるいはそんなつもりのない人の方が多かった、という人の心を踏みにじるような可能性もないわけではないんですが。

いずれにしても、エジプトは現在のところ日本の轍を踏むつもりはないようです。デモは民主化プロセスを監視しており、軍との衝突こそその証拠です。警官のデモは望ましいものであり、「上からの命令でやった」んだったら、その「上」を引きずり出してくればよろしい。それができない間は市民の怒号に包まれるのもまた望ましいことに違いありません。エジプトのオマワリさんは市民の「激励」に応えるべきであり、「警官らが市民への暴行で訴追されない」というような甘い誘いに乗ってはいけません。そんなことになったら身の安全は保証いたしかねます。

それにしても高みの見物を決め込む極東の子ザルが「熱気冷め、不協和音」とは失礼な話ではあります。もっとも、鵜塚さんの立場を思いやることも大切です。まったくの話、本当であればマスゴミの記者さんなどは市民に怒鳴られて泣かなければならなかった立場なのです。鵜塚さんにしてみればエジプトのオマワリさんこそ自らのありえたかもしれない姿なのですから、恐怖のあまり糞でも漏らしながら「熱気が冷め」て「不協和音」を奏で始めることを祈っていたに違いありません。ああ日本が恋しいよな。


posted by 珍風 at 20:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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