2011年03月05日

最後のテレビ選挙

「地デジ難民あふれる」識者ら、アナログ終了延期訴え


 テレビの地上デジタル放送への完全移行をめぐり、砂川浩慶・立教大准教授やジャーナリストの坂本衛さんらが4日、東京都内で記者会見し、「このままでは地デジ難民が多数出る」として、7月24日に予定されているアナログ放送の終了を延期するよう訴えた。近く総務省に要求書を提出する。

 要求書では「地上アナログ放送の終了を地域ごとに段階的に行うこと」「地デジ難民がゼロになるよう万全を期すこと」などを総務省とテレビ各局に求めている。

 昨年9月の総務省の調査によると、地デジ受信機の普及率は90.3%。だが、要求書では「地デジに未対応で調査に非協力的な世帯が多数漏れており、実態を反映していない」と批判。「経済的弱者への支援も遅れている」と主張している。

2011年3月4日 asahi.com


別にTVなんか見ないからどうでもいい、という人もいるかもしれませんし、現に1人ここにいるわけですが、そうも言っていられない事情というものもあるようです。この「識者ら」というのは

岩崎貞明(『放送レポート』編集長)

小林潤一郎(編集者)

坂本 衛(ジャーナリスト)

清水英夫(青山学院大学名誉教授、弁護士)

砂川浩慶(立教大学社会学部准教授)

なだ いなだ(作家、医師)

原 寿雄(元共同通信社編集主幹)


といったみなさんで、ご趣旨としては

 地上デジタル放送の移行予定期日まで5か月を切りました。しかし、受信者側(家庭や事業所)の準備がどうにも間に合わず、このまま地上デジタル放送完全移行・現行の地上アナログ放送停止を強行すると、テレビを見ることができない世帯が最大数百万規模で発生することが確実な情勢です。


 国民や視聴者大衆はもちろんのこと、地上デジタル放送を推進する国(総務省)や放送局にとっても、地上アナログ放送の終了を2年ほどをメドに延期したほうが、大きな混乱を回避し、ムダなコスト増や収入減を避けることができます。日本国内のほとんどすべての人・世帯・企業・団体・役所(都道府県市町村)や放送関係者・関係会社にとって、計画を延期するメリットのほうが大きいことは、否定しようがない状況です。


 そこで、私たちは標記の記者会見を開き、総務省と全放送局にむけた要求書と数十人の賛同人メッセージを発表します。また、私たちがなぜ延期を求めるかをお話しさせていただくとともに、現時点で実現可能と私たちが考える地上アナログ放送「終了延期」プランを発表・説明します。


 このプランは、(1)地上アナログ放送の終了期限を事実上、最大2年3か月延長して継続し、(2)放送エリアごとの段階的終了(停波)を認め、しかも(3)アナログ「本放送」は既定方針通り終了し、(4)総務省やデジサポの地デジ支援策や地デジ未対応者に対する告知・警告を継続できる、(5)電波法改正の必要がない、(6)地デジ難民の発生を最小限に抑え込むことができるプランであると信じます。


 新聞社、通信社、雑誌・出版社、放送局(テレビ・ラジオ)、インターネットはじめさまざまなメディアにたずさわるみなさまに、ぜひ、ご取材いただき、地上デジタル放送の正確な現状、地デジ難民が発生する恐れ、地上デジタル放送への完全移行・現行アナログ放送の終了を延期することの大きなメリット、地デジ計画をソフトランディングさせ地デジ難民をゼロに近づけるその望ましい方法などを、広く社会にお伝えいただきたいと考えております。


 多くの方々のご出席を心よりお待ち申し上げます。

http://analogenki.web.fc2.com/kaiken.html


つーことだそーデスヨ。

まあ、一番大きな問題はおそらくNHKの受信料だと思うわけです。難視聴地域にお住まいの方などの狭義の「難民」の皆さんは別としても、地デジ対応のTVセットを買ったもののアンテナの事まで考えていないとか、アナログ波放送を見ながら地デジだと思っている人が相当数いるでしょうし、アンテナや配線の工事が間に合わない事も考えられます。

視聴者の地デジ化に対する対応としては地デジ受信のために用意をすることの他に、TVを見ないという選択肢もあります。現在のところ後者の選択を行なっている人が7月になって急に気が変わらないとも限りませんし、7月の賞与をそのために充てることを考えている人もいるでしょうから、7月に入ってからアンテナ工事が渋滞することが考えられます。

お金のない人にはチューナを配ればいいなどといわけではなく、誰かが屋根に登ってアンテナの取り付けや調整をしなければなりません。屋根の上は怖いし今は寒いし調整は結構手間ですからおそらく7月24日に間に合わない場合が相当出るでしょう。こういう人たちは停波後のある期間TV受信が出来ないわけですが、その間の受信料をどうするのかという問題があります。

放送法第32条には「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」とされていますから、アンテナ工事が間に合わなかった人は「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置」したことにはならないでしょう。

しかしながら世の中には色々な人がいます。取扱説明書などというものは読まないことをもって人生のポリシーとしている人もいますし、しかしながらその様な人が実は読んでも理解出来なかったりすることも多いものです。「受信設備」は整ったものの設定とかが自分では出来なくて受信に至らない人もいるかも知れません。この場合は「受信設備を設置」したからといって受信料を徴収されるかも知れませんが、実際のところ見えていないわけですから、その間の受信料について徴収されることに釈然とせず、返金を求められるかも知れません。

おそらくNHKは各契約者の受信状況を確認する事なく、従来に引き続いて受信料を徴収してしまうと思われます。もっとも契約者に受信状況を尋ねても「見えてません」と言われるに決まっているような気もしますが。いずれにしても後になってから紛争が多発する可能性があるようです。それはそれで一種の見物ですが、もしかするとNHKだけは停波を延期するのかもしれません。

もっとも、国会では7月以降はみんながTVを見ているわけではないということは理解されているようです。

7月までに解散・総選挙を 伊吹元自民幹事長


 伊吹文明元自民党幹事長(衆議院議員)は28日の衆議院予算委員会で、菅直人総理に対し「首を差し出すから予算を通せというような話に乗るべきじゃない」と述べ、「3月31日までに通すもの、通さないものに分けて、衆議院から参議院には(予算と関連法案を)一体として送るべき」と質した。

 また、伊吹議員は「財務省証券で資金繰りができる。国民に迷惑をかけない。7月まで時間がある」として、年度内に通すべきものは通して、その後、7月までの間に解散・総選挙を行うよう促がした。

2011年3月1日 IBTimes


現在までのところインターネットを利用した選挙運動は認められていないようですから、各党にとってTVは選挙の主要なツールとなっています。自民党の支持者などはおそらく、とりわけTVの熱心な視聴者であるにもかかわらず、同時に地デジ対応が遅れがちな集団であるような気もしますが、民主党の支持者がテレビ放送技術について例外的に詳しいというわけでもないようです。

いずれにしてもマスメディアを利用した「B層」の取り込みが各党選挙戦略の要であります。ここでの「B層」は元の意味とは若干異なり(「菅総理のキャラクターを支持する層」を大きなクラスターとして想定することはほとんど不可能です)、対「B層」戦略が奏効するクラスターすなわちマスメディアを利用した「客観的第三者」を装った「発話」に対する抵抗力を持たない層を考えていますが、これはつまり要するにTVが効く人たちということです。したがってTVの視聴者数が総数として減少することはかなり問題ですから、是非ともこの次の総選挙はアナログ停波までに実施したい、とにかく7月までにはやれ、というのが伊吹さんの偽らざる気持ちではないかと思われますし、それは与党の皆さんも同意なさることでしょう。

これには次の総選挙までには地デジを見れるようになっている人がほとんどだろう、というムシのいい観測が伴っているわけで、1年もしないうちにまた解散ということになったらどうするんだというような理性の声には耳を傾けないわけですが、しかしながら、民主党が統一地方選で惨敗するのはほぼ既定だということですし、小沢さんは「菅さんは、破れかぶれで解散することもあり得る」(共同)そうです。菅さんは最初から破れかぶれのような気もしますが、そう見えるのが素人の浅はかさ、最初のうちは菅さんも自信に満ちていたのかも知れないのですから人間というものは奥深いものでありますが、どっちにしろTVのことを一番心配しているのは菅さんですから、僕たちはそんな心配はしなくてもいいようです。


posted by 珍風 at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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