2011年04月16日

40メートルの神域

東日本大震災:コンクリ地盤など提案 復興構想会議委員の河田恵昭・関西大教授


 復興構想会議の委員に選ばれた関西大社会安全学部の河田恵昭(かわたよしあき)部長(巨大災害、危機管理)は、津波の届かない高さにコンクリート製の人工地盤を造成するなど被災地に応じた三つの復興ビジョン私案を提唱している。大胆な案には実現可能性を疑問視する見方も他の委員にあるが、会議で検討される見通しだ。

 河田氏は3月28日に松本龍防災担当相に同案を提出した。人工地盤案は、市街地全域がほぼ壊滅した宮城県南三陸町などを対象に想定。今回の津波(7〜9メートル)より高いコンクリート柱の上にコンクリートの床板を載せ、土を盛って人工地盤を造成する。旧来の地盤と人工地盤の間は雨水などを貯水し夏場の冷房に活用する。漁港に近接する地域は旧地盤の上に水産業や物流施設を整備し、津波の際はすぐに人工地盤の市街地に逃げられるようにするという。

 河田氏の私案ではこのほか、100世帯単位の小さな集落が点在する同県石巻市などを対象に集落ごとに高台を造成し高架のバイパスで結ぶことも提案。仙台市若林区荒浜など海に面した平地が広がる地域には、海岸に沿って津波の届かない高さの海岸砂丘をがれきも使って造った上でバイパス道路を走らせ、道路より内陸側は旧地盤の上に市街地や農地を復元する。大量のがれきで市街地を守る「スーパー堤防」を構築する案だ。河田氏は11日、毎日新聞の取材に「被災地の皆さん自身がわがまちの未来像を議論してもらうたたき台として提示した。まちを造る事業として雇用を生むこともできる」と話した。【西田進一郎】

2011年4月12日 毎日新聞


なるほど「大胆な案」であります。ちょっと大胆すぎると言ってもいいでしょう。「津波より高いコンクリート柱の上にコンクリートの床板を載せ、土を盛って人工地盤を造成する」んだそうですが、津波はその柱には当たるんだろう、砂上の楼閣じゃないか、とは言わないまでも伝説の空中庭園を連想させるに充分なものがあります。

東日本大震災 岩手・宮古市で津波が38.9メートルの高さまで到達していたことが明らかに


岩手・宮古市に押し寄せた津波は、高さおよそ40メートルの山の上にも及んでいたことがわかった。

岩手・宮古市では、今回の津波が38.9メートルの高さまで駆け上がっていたことが明らかになった。東京海洋大学の岡安章夫教授は「海岸から450メートルぐらい上がったがけの上に、木が倒れている地点があり、その木の根元の高さを測ったところ、海面から38.9メートルまで津波が駆け上がっていることがわかりました」と語った。これは、明治三陸津波の際、大船渡市で記録された38.2メートルを上回る。

この地区では、かつて受けた津波被害の経験が、今回人々の命を救ったという。住民は、「この下には家を建てるなってことが書かれているんだ」、「明治の時も流されたんだって。昭和8年(1933年)後に、みんな上に家建てたみたい」などと語った。

岡安教授は「集落にはほとんど被害が出なかったということで、非常に過去の経験が生かされたと思う。今回の津波を教訓として、あらためて考えることは、非常に需要だと思う」と語った。

2011年4月15日 岩手めんこいテレビ


40メートルの柱の上に立つ空中都市。大変に魅力的です。夢のようです。もっとも世の中にはこのような「ロマン」を解さない人がいるようで、「実現可能性を疑問視する見方」を示しているようですが、ケチな了見であります。こういう話は「実現可能性」を云々するようなものではありません。これは「実現」だの何だのというような味気ない現実の話ではないのです。

そんな残念なメンバーを含む「復興構想会議」ですが、一体全体どんな連中が男の夢に冷却水をぶっかけるというのでしょうか。それは秘密です。

問題起こるから…復興会議議事録匿名に記事を印刷する


 政府の東日本大震災「復興構想会議」議長の五百旗頭真防衛大学校長は14日の記者会見で、会議議事録について当面、発言者を明記しない「匿名」の形で公開する方針を示した。「復興問題は機微に触れる。個人名の入った議事録を直ちに公開すると、難しい問題が起こる」と説明した。

 その上で「われわれの任務が完了した時に、個人名入りで全議事録を公開する」と強調した。

2011年4月15日 日刊スポーツ


とは言っても、誰が参加しているかは明らかですから、公表された「発言」が誰のものであるかを推測する事は可能ですし、その推測が間違っていることによって誰かが不当に非難されるという「難しい問題」も発生しうるわけですが、そんな事は知った事ではありません。とにかくみんなの邪推のネタになることになったのは以下の犠牲者の皆さんであります。

議長   五百旗頭 真 防衛大学校長
議長代理 安藤 忠雄  建築家
議長代理 御厨 貴   東大教授
委員   赤坂 憲雄  学習院大教授
同    内館 牧子  脚本家
同    大西 隆   東大大学院教授
同    河田 恵昭  関西大教授
同    玄侑 宗久  作家
同    佐藤 雄平  福島県知事
同    清家 篤   慶応義塾塾長
同    高成田 享  仙台大教授
同    達増 拓也  岩手県知事
同    中鉢 良治  ソニー副会長
同    橋本 五郎  読売新聞特別編集委員
同    村井 嘉浩  宮城県知事
特別顧問 梅原 猛   哲学者


なかなかよく考え抜かれたテキトーな人選であります。五百旗頭さんは日米関係論を講ずる方でありますが、「日米関係論」を知らずして原発を語る事は出来ないと言われております。原子核崩壊なんかも原発には欠かせない大事な事かも知れませんが、「日米関係」がなければ日本に原発が存在する事もなかったわけです。そしてその意味では讀賣新聞社から特別編集委員の橋本さんが参加しているのはむしろ当然であると言って良いでしょう。

これに比較すると、単に原発を建てただけの企業などは末端の構成員でしかありません。東芝の社外取締役である佐々木毅さんがこのメンバーに加えてもらえなかったのはそのためです。当初は「日米関係」に与える影響が「あまりにも大きい」ために原発については議論から外そうという事だったようですが、やはりそういうワケにはいかないようです。そういうわけであまり「問題」を「大きく」しないように、五百旗頭さんには議長としての役割が大いに期待されるところです。

副議長の安藤さんも石原慎太郎さんの良いお友達ですから、五百旗頭さんをよくサポートすることが出来るでしょう。それに東北地方に原発が林立する限り、そっち方面に「遷都」してしまう心配は未来永劫存在しないのです。もっとも赤坂さんのほうでは日本を「いくつか」に分裂させようとしているようですから、汚染された東北地方を「分権」して見捨ててしまうのもひとつの選択肢として考えられている可能性もあります。この点では大西さんの協力も得られるでしょう。

清家篤さんは能天気な雇用政策を思いついたりする商学の先生で、その雇用政策の要点は「放っときゃいい」というようなものですが、震災地域の雇用問題について菅政権が取り得るであろう政策と一致するものです。震災地域でなくてもですが。しかしながら「お魚記者」の高成田さんが半減期にも達していない新鮮なお魚を僕たちの口にねじ込もうとしているんですから、「生涯現役社会」でも「定年」が「破壊」されること請け合いでありましょう。「生涯」が「定年」に届かなくなるのです。

この意味では梅原猛さんの参加は極めて重要です。原子炉からは様々な核種、てゆーか神々が出現され、そのどれもが「寛容」とは言い難いおっかない神様ばっかりではありますが、そんな気の滅入るような状況を何らかの「優越性」として語る事が出来るというのは、考えてみれば希有な才能であると言えないこともありません。しかしその無根拠さにおいて、そんな神々が暴れ回るサンクチュアリの「復興」を論じる会議には不可欠な基調をなすものであるとも考えられるのですから、人間長生きはするものです。もし可能であればですが。


posted by 珍風 at 06:36| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
石原と猪瀬が自販機業界やパチンコ業界を虐めてるが、それらを節電してもまるで足りませんよ、という話。
ていうか石原も猪瀬もろくに算数すらできてないし、電力と電力量の区別もついてない。
文系脳にしてもひどすぎる。

石原都知事もついにボケたか
http://mechag.asks.jp/399514.html

>石原もついにボケたか…。いや、まあ文系だし最初からかも。福島第一原発の6機の原発の合計の発電力は470万キロワット。1日の発電量は470万キロワットx24時間=11280万キロワット・時。パチンコと自販機の消費電力量は400万キロワット・時。両方合わた800万キロワット・時でも11280万キロワット・時の7%に過ぎない。石原の発言通りそれぞれ450万キロワット・時としても8%。
>
>「電力(キロワット)」と「電力量(キロワット・時)」をごっちゃにするなと(ry



猪瀬直樹も馬鹿
http://mechag.asks.jp/399719.html
Posted by frank at 2011年04月17日 10:55
石原にオリジナルなアイデアがあった事はなく、プロパガンダを真に受けてレトリカルにデフォルメして返す、それを自分で政策だと思っているだけ。
Posted by リフォーム珍風 at 2011年04月17日 22:54
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