2011年04月22日

帰ろかな帰るの予想かな 断層に相談だ

専門家“一時帰宅 住民の協力大切”


政府が21日に示した一時帰宅の考え方について、住民の防災対策に詳しい専門家は、距離や放射線量で一律に制限するのではなく、立ち入りの目的や放射線量のレベルに応じて差をつけることが必要だとしています。そのうえで、住民の理解と協力が何より大切だとして、科学的な根拠を示すとともに、住民との事前の話し合いが重要だと指摘します。

21日に政府が示した一時帰宅の基本的な考え方では、原発から3キロ以内や放射線量が1時間当たり200マイクロシーベルトを超える区域は一時帰宅の対象から除かれています。これについて、住民の防災対策に詳しい「社会安全研究所」の首藤由紀所長は、放射線量の高い地域は20キロ圏内でも点在しており、本来、対象地域は距離や放射線量で一律に規定すべきではないとしています。そのうえで、「立ち入りの目的や放射線量のレベルに応じて時間や人数に差をつけることが必要で、貴重品を持ち帰りたいとか、家畜の世話をしたいといった住民のニーズも踏まえて決めるべきだ」と指摘しています。また、首藤所長は、今回の一時帰宅にあたっては、まだ事態が収束していないなかで行われるということを十分に理解することが重要だとして、「万が一、発電所の状況が変わって温度や圧力が上がってきたときに、一時帰宅の方々をおもんばかって、結果的に誤った判断になってしまうことがあっては絶対にならない。ちゅうちょなく事故を収めるための選択ができるようにしておくことも大事だ」としています。そのためにも、住民の理解と協力が必要で、科学的な根拠を分かりやすく説明する場を設けて、住民と事前によく話し合い、理解を得ておくことも重要だとしています。

2011年4月21日 NHK


今になって「住民の理解と協力」もないもんだと思う次第でありますが、とにかく「警戒区域」にするのが遅いわけです。政府は「安全な原発」や「無害な放射線」との齟齬をきたさないために「避難している住民から防犯上の不安が多く寄せられていることを踏まえ」(朝日新聞)て警戒区域を設定したそうですが、これだと「立入り制限」の理由は「防犯」であって放射線の危険ではない事になりますから、自分の家に行って自家用車をとって来たい人に「科学的な根拠」を説明する事は困難でしょう。

現に危険は「万が一、発電所の状況が変わって温度や圧力が上がってきたとき」にしか存在しないことになっていますし、「発電所の状況」については1カ月くらい後に知らされるようになっていることが分かっていますから、放射線危険に関する「科学的な根拠」などは公式には存在しないも同然なのです。

そもそも世界に冠たる東電の「科学」たるやそれはもう大したもんでありまして、

福島第1原発の活断層評価 保安院「間違っていない」


 経済産業省の西山英彦官房審議官(原子力安全・保安院担当)は21日の記者会見で、東京電力福島第1原発の耐震安全性確認で「活断層ではない」としていた断層に、今月11日の震度6弱の地震でずれが生じたとの調査結果について「(活断層ではないとした)評価の考え方は間違っていない」との見解を示した。

 東電によると、この断層は福島県いわき市にある「湯ノ岳断層」。平成18年改定の原発耐震指針に沿った福島第1原発の耐震性確認で、東電は考慮対象となる13万〜12万年前以降に活動した活断層ではないと評価。一方、近くにあり規模も大きい「井戸沢断層」を考慮したと説明し、「井戸沢断層が動いたことで湯ノ岳断層にずれが生じた可能性がある」としている。

 西山審議官は「より規模が大きく原発に近い井戸沢断層を評価すればよいと考えた」と述べた。

2011年4月22日 産經新聞


東電の活断層の定義は「13万〜12万年前以降に活動した」断層の事でありまして、これは極めて大胆かつ独創的な見解であるといっていいでしょう。この「間違っていない」という見解は間違った前提から導きださている可能性があります。

ふつう「活断層」とは新生代第四紀に地殻変動があったのをさすようです。これは地質学的に「現在」そのものであるとはいえ、258万8000年前からの話であるようですから要注意です。東電ならびに原子力保安委員会は、「活断層」の大部分を「活断層」と呼ばないのです。じゃあなんと呼んでいるのか知りませんが、要するに無視するだけなのですから名前なんかあってもなくても同じ事です。女の子が沢山いるアイドルグループが、名前を知っている人とその他のブスに分けられるのと同様でしょう。

「井戸沢断層」を考慮したそうですがアヤシイもので、

発生源は想定外の断層 いわき連続余震 山形大など調査


 福島県いわき市などで11、12日に震度6弱を観測した東日本大震災の余震は、政府の地震調査委員会の長期評価対象外だった「井戸沢断層」が活動して起きた可能性があることが13日、山形大の八木浩司教授(地形学)や東北学院大の宮城豊彦教授(環境地理学)らの調査で分かった。断層に沿って地滑りが多発しており、専門家は陸地で発生する同様の地震への警戒を呼び掛けている。

 井戸沢断層は福島県浜通り南部に位置する。茨城県境付近まで南北約20キロにわたるとされ、過去数千年で活動した形跡はなかったという。

 今回の余震発生後、八木教授らが震源に近いいわき市田人町黒田地区を調査したところ、南北方向に地割れがあり、断層上の建物に変形が見られた。測定の結果、井戸沢断層の東側が最大1.2メートルほど隆起し、30センチ程度ずれていることも判明した。

 約7キロ離れた地点でも同程度のずれが確認され、少なくとも7キロ以上の断層が動いたとみられる。さらに断層から数百メートル付近では、地滑りが多発していた。

 地震調査委が12日発表した余震の評価によると、震源周辺では1923年以降、マグニチュード(M)5を超える震源の浅い地殻内の地震はほとんど起きていないが、東日本大震災後はまとまった地震活動が続いている。

 2008年の岩手・宮城内陸地震でも、震源とされる断層は今回の井戸沢断層と同様、地震調査委の長期評価の対象となっていなかった。

 内陸地震でも断層に沿って多数の地滑りが確認されるなど、今回と状況が似ていることから、八木教授は「他にも陸地で同様の地震が起きる可能性があり、非常に心配だ」と話している。

2011年04月14日 河北新報


井戸沢断層は1メートル以上ずれちゃってるようですから相当に派手な動きがあったんですが、それは「想定外」なんだそうです。「政府の地震調査委員会の長期評価対象外だった」のですが、そんなものを東電が「考慮」したのかどうか、はなはだ疑問であります。そうでなくとも「活断層」を勝手に再定義して危険を過小評価する原子屋が、地震屋も考慮していなかった断層を考慮に入れていたとはとても思えません。そういった「科学」のレベルですから、「住民と事前によく話し合い、理解を得ておく」なんて軽く言いますけどそいつぁムリだ。


posted by 珍風 at 06:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。