2011年04月25日

セックスと嘘ともう一回セックス

記者会見、25日から一本化=東電、保安院など−福島第1原発事故


 福島第1原発事故で、政府と東京電力の事故対策統合本部は23日、東電本社と経済産業省原子力安全・保安院、原子力安全委員会が別々に行っている記者会見を25日から一本化すると正式に発表した。毎日午後5時をめどに東電本社で行う。説明の食い違い解消が目的という。

 会見には同本部事務局長の細野豪志首相補佐官も出席。記者は事前登録制となる。東電によると会見にはフリージャーナリストも参加可能だが、参加の可否は保安院が審査するといい、批判の声が出そうだ。

 保安院の西山英彦審議官は参加記者に条件を付ける理由について、「メディアにふさわしい方に聞いていただきたいと考えている」と説明した。

2011年4月23日 時事


統合本部、まあつまり統合参謀本部みたいなもんですから文字通り「大本営」に相当する機関が存在し、その様な機関に相応しい広報を行なう事になりました。理由は2つあるそうです。

1つは「説明の食い違い解消」でありまして、これは各々が勝手に記者会見をしていると芸能人水泳大会のようにポロッと何かが露出してしまってオーディエンスを喜ばせることがあるので、それの防止です。つまり「口裏を合わせる」ということで、「共犯」者同士ではその重要性をいくら強調しても足りません。

福島第1原発:初の共同会見 東電・保安院・安全委


 福島原子力発電所事故対策統合本部(本部長=菅直人首相)は25日、これまで東京電力や経済産業省原子力安全・保安院、内閣府原子力安全委員会などが個別に開いてきた会見を一本化し、初の共同会見を開いた。事務局長の細野豪志首相補佐官は「原則としてすべての情報を公開する。私を信じてほしい」と強調した。だが、約250人が集まった会見では記者の質問機会が限られ、原子力安全委から専門家の委員が出席しないなど、情報量と質の低下が懸念される。原発を推進する東電と規制官庁が同席する会見形態を疑問視する質問も相次いだ。【足立旬子、江口一、西川拓、臺宏士】

 本部のある東電本店(東京都千代田区)で開かれた会見では、資料配布に25分、細野氏、文部科学省、原子力安全委、東電、保安院の各担当者からの説明に計1時間近くを要したうえ、政府の対応や共同会見への批判、モニタリング、原子炉の現状など、質疑の内容は多岐にわたり、会見は4時間近くに及んだ。

 細野氏は一本化について「個別会見で情報の重複やそごがあった。東電と規制官庁が同席する会見では、事業者、監督官庁の立場を守るが、テーマごとに一元化した情報を発信し、正確性を期したい」と訴えたが、記者から「すり合わせで情報が遅れるのではないか」との質問も出た。

 事故後の会見は、原則として、保安院が毎日午前と午後計2回、東電本店が同午前、午後計2回、開いてきた。原子力安全委も毎日、文科省が実施するモニタリングの評価や原子炉の状態への認識について、原子炉工学や放射線防護の専門家の委員が会見で説明してきた。26日以降、午後の会見は共同会見に一本化される。

 また、安全委から共同会見に出席したのは、官僚出身の広瀬研吉・内閣府参与(原子力安全委員会担当)。班目(まだらめ)春樹委員長は25日午後の定例会後、今後は週2回の定例会後に自身が会見すると話し、「原子力安全委員は何でも相談室ではない。(共同会見とは)場を分けてお答えする」と答えた。細野氏も「安全委は独立機関で、委員も自由に意見を述べることが認められている」と述べた。

2011年4月25日 毎日新聞


口裏を合わせたからといって「正確性」が高まるわけでもないのですが、口裏を合わせた「情報」を「正確な情報」と呼ぶことにしたのですから、その意味では大いに「正確性」が向上する事が期待されるでしょう。しかし、単に口裏を合わせるだけではなく場合によっては「情報」をより「正確」ならしむるための様々な操作が行なわれることが考えられるので、かえって「口裏合わせで情報が遅れるのではないか」という指摘もあったようです。

この質問をした記者さんは「情報が遅れる」こと自体が「大本営」における「発表」の形式的側面である可能性を考慮していないようです。要するにワザと「情報を遅らせる」ということが行なわれる可能性のことですが、「大本営」設置のもう1つの目的が、このような詰めの甘い記者さんの保護育成にあるようです。

記者会見への「参加の可否は保安院が審査」することになっており、保護育成すべき対象を特に優遇することになっています。このような対象を大本営では「メディアにふさわしい方」と呼んでいます。即ち大本営発表の媒体として「ふさわしい方」に「聞いていただきたい」のであって、媒体として「ふさわしくない」奴には「聞いていただきたくない」のです。

したがって「規制官庁」が「原発を推進する」ところの「経済産業省」内の機関であることについては「疑問視する質問が相次」がなかったりもするわけで、早くも「メディア」としての「ふさわしさ」全開でお届けしておりますから、「メディア」を含めた「原発を推進する」公的な「機関」の安定した稼動振りは全国の原子炉が是非とも見習っていただきたいほどであります。

このようにして東電も、経済産業省原子力安全・保安院も、原子力安全委員会もお互いに相談の上で言いたい事を聞かせたい人にだけ伝えるという、甚だしく信頼度の欠ける状態に陥ることになりました。メッセージは極めて明白です。情報に信用はおけません。しかし信用の置けない情報しか存在させないのです。

ありがたいことに、これで国民はやっと安心する事が出来るわけです。もう「信じていいのかどうかわからない」などと戸惑う必要はありません。「メディア」は100%嘘を言う事に決まったのですから、迷わず信用しなければいいのです。

一方で「ウワサ」や「風評」の方には、もしかしたら信じても良い情報が含まれている可能性があるようです。それを自分で判断しろ、という極めて啓蒙的なメッセージが「大本営の設置」という政府の身振りには含まれていると考えるべきでしょう。もはや日本という国が国際社会からの信頼をすっかり失ってしまった現在、国民一人一人の民度を高めようとする政府のこのような施策が正しいものであることは言うまでもありません。将来、かつて存在した日本の歴史の研究者には、民主党政権の歴史的な功績として評価されるに違いありません。


posted by 珍風 at 23:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
我が国には、初等教育はあっても、英米流の高等教育はない。
だから、日本人は、「下士官兵は優秀、下級将校は普通、上級幹部は愚劣」の状態になっている。
目先・手先の問題は器用にこなすが、個人の世界観に基づいた国家百年の計は立てられない。

日本人には意思がない。
だから、意思決定ができない。
神の意思による災害は天災、人の意思によるものは人災。
意思という概念がなければ、天災と人災の区別も定かではない。
人の行動を納得できるものに改めることも容易ではない。

指導力は、指導者の社会意思の決定力である。
意思そのものがなければ、社会問題は指導者による解決を見ない。
「首相はオーケストラの指揮者だが、誰も指揮者を見ていない」ということは、一個人の意思に構成員が意識を集中できないことを意味している。
問題を解決する能力のない人たちが、事態を台無しにする力だけを持っている。だから、世の中は難しい。
問題を解決しようとしても、先送りと積み残しに終始する。なりゆき任せになる。
「そのうち、何とかなるだろう」ということか。

未来の内容が定かに考えられないと、起こる事態は想定外のことばかり。
目の前に事態が現われてからでは、その対策は後手後手に回る。
未来のことは、未来時制の構文の中で述べられる。
日本語には時制がないので、未来時制もない。
だから、その計画も場当たり的というか、行き当たりばったりになる。主体性がない。

日本人は、拙速主義である。場当たり的なトントン葺きの家づくりが得意である。
大ブタさんのわらの家をつくる。災害に強い小ブタさんのような煉瓦の家は作らない。
作る暇などないからである。
日本人は、過去と未来に挟まれたごく狭い時空の中で、あくせくと現実生活にのみ専心している。
精神を集中すると、その刹那も永遠のように見えてくる。
前後の見定めのない自分の話が永遠の真理を話しているような気持ちになるところが不思議なところである。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812





Posted by noga at 2011年05月06日 11:02
冗談にも

問い:世界最強の軍隊は?
答え:アメリカ人の将軍
   ドイツ人の参謀
   日本人の兵卒

問い:世界最弱の軍隊は?
答え:中国人の将軍
   日本人の参謀
   イタリア人の兵卒

とか申します。しかし、しょっちゅう揺れる地面の上にちゃんとした家を建てたり、そのために一生借金を背負うってのも考えものだとは思います。
Posted by 三匹の珍風 at 2011年05月07日 23:02
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