2011年06月12日

地下室の隷獣

超党派議連発足の狙いは 「地下原発」は菅降ろし?


 深刻な大震災や福島第一原発事故のさなかに国民をあきれさせた菅直人内閣の不信任騒動。その渦中の先月31日、超党派による「地下式原子力発電所政策推進議連」が発足した。「脱原発」の逆風が吹き付ける原発を臨海部の山の地下に造って進めようという動きだ。だが主要メンバーを見ると、「菅降ろし」を画策してきた首相経験者も名を連ねる。地下原発議連の狙いとは。(佐藤圭、篠ケ瀬祐司)

 「こちら特報部」が入手した地下原発議連の名簿には、民主、自民、公明、みんな、国民新、たちあがれ日本、新党改革の各党と無所属の計四十九人が並ぶ。反原発を掲げる共産、社民両党以外の主要政党が顔をそろえた。

 会長は、たちあがれ日本代表で元経済産業相の平沼赳夫氏。顧問は、民主党の鳩山由紀夫前首相、羽田孜元首相、石井一副代表、渡部恒三最高顧問、自民党からは谷垣禎一総裁、森喜朗元首相、安倍晋三元首相、山本有二元金融担当相、国民新党は亀井静香代表ーの計九人。

 初会合は五月三十一日、衆院第一議員会館の地下一階会議室で開かれ、平沼、森、石井の各氏ら約二十人が出席した。今月末にも二回目の会合を予定しているという。

 原発を地下に造るという発想は、突如浮上したわけではない。自民党の三木武夫政権の一九七五年、資源エネルギー庁で研究が始まった。

 当時から反原発活動などで地上での新規立地は難航していた。地上式では建設が難しい臨海部の急峻(きゅうしゅん)な未利用地まで選択の幅を広げるのが狙いだった。八一年には、同調の検討委員会が「技術的、経済的も可能」とする報告書をまとめた。

 しかし、電力会社は「原発は危険だから地下に造るっと思われる」「地上立地の妨げになる」との理由で消極的な姿勢を崩さなかった。これに不満を持った平沼氏ら自民党有志が九一年、党内に「地下原子力発電所研究議員懇談会」を結成したものの、電力会社の協力を取り付けることはできなかった。

 今回の地下原発議連は、福島第一原発事故で地上での新規立地や増設はおろか、既存原発の存続も危うくなる中、かつての自民党の懇談会メンバーを中心に、与野党の原発推進派が結集した格好だ。

 地下原発議連は、発足のタイミングから、不信任騒動との関連が取り沙汰された。与野党の原発推進派が、原子力政策の見直しに傾斜した菅直人首相を引きずり下ろそうとしたのではないか。「原発推進大連立」の拠点が地下原発議連ではないか…と。
 実際、谷垣、安倍、鳩山の各氏は「菅降ろし」の急先鋒(きゅうせんぽう)。顧問以外のメンバーを見ると、不信任賛成に動いた民主党の小沢一郎元代表に近い西岡武夫参院議長、山岡賢次副代表、松木謙行衆院議員(民主党除名)らが入っている。

 事務局長を務める自民党の山本拓衆院議員は、「原発銀座」と呼ばれる福井県選出だ。山本氏は「菅降ろし」を視野に入れた動きとの見方について「特に意識はしなかったが、メンバーを見ると、不信任に賛成しそうな人ばかりだった。昔の仲間が集まれば、大連立の話もするかもしれない」と含みを持たせる。

 そもそも地下原発とはどのようなものなのか。

 地下原発議連の資料によると、全地下式の場合、臨海部の山の地下空洞に、原子炉やタービン発電機など主要施設を配置し、そこに取水・放水トンネルやケーブルトンネルがつながっている。

 原子炉が設置される空洞は幅三十三メートル、高さ八十二メートルと巨大なものを想定。既存の地下揚水発電所などの空洞よりも二十五メートルほど高いが、岩盤をコンクリートなどで補強すれば十分掘削は可能だとしている。

 なぜ地下に原発を造ろうとするのか。

 山本拓氏は「地下は地震と津波に強い」と利点を挙げる。「地表に比べて地下の揺れは小さい。福島第一原発も地下式にしていれば津波をかぶって電源を喪失することもなかったはずだ」

 事故時の放射能対策でも、地下式は優れているという。議連資料では、土が三十メートルかぶった原発(出力百万キロワット)で炉心を冷やす一次冷却水が失われる事故を想定。試算の結果、地表に出る放射性ヨウ素は、地上式の十万分の一になるとしている。「(岩盤などで)放射能を封じ込めていくのが地下原発だ」と山本氏は説明する。

 建設費についても「かつては地下の方が地上より二割ほど高いといわれたが、今は建設コストも安くなっている」。地下に設けることで、原発を狙ったテロ対策にもなるという。

 ただ、福島原発の事故が収束しない中での議論。「今は電力会社も資源エネルギー庁も、既存の原発をどうするかで手いっぱい。原発の新規立地を進めるなら地下も必要。今すぐどうこう(建設)ではなく、選択肢の一つとして地下原発の基準をつくておく」。山本氏は「将来への備え」を強調した。

 地下原発派、実験炉や商業炉など閉鎖を含め欧米で六基の稼動例があるが、広がっていない。

 地下原発の動きに対し、NPO法人「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「放射性核廃棄物をどう処理するかという問題は、地下でもクリアできない」と指摘。

 安全性にも疑問を投げかける。「内部で爆発があった場合、衝撃力が内にこもる。圧力容器や格納容器が無事でも配管が壊れれば、大きな事故につながりかねない。そうなれば地上式より作業員が近寄りにくくなる」と、かえって危険な状態になるとみる。

 津波の影響は受けないのか。「冷却が必要だから、原発は水から離れられない。地下式にしてもどこかで海とつながっており、津波の影響を受ける可能性は残る」  放射能の封じ込めについても

「数十メートルの土がかぶっていたとしても、放射能は地上に抜けていくだろう」と、効果は限定的だと予測する。

 再浮上してきた地下原発。「原子力に携わっている企業と『族議員』とが生き残り策を探っているようにしか見えない」と、伴氏は手厳しい。

 地下原発議連の狙いについて、政治評論家の浅川博忠氏は「中心メンバーらは、地下原発を入り口にして、憲法や選挙制度の改正、政界再編なども視野に入れているのではないか」と分析している。


デスクメモ

 平面図は構造物を簡略化し、実際は各トンネルが縦横に張り巡らされ、配管も多い。地下深くにどう造るというのか。掘った空洞に原子炉やタービンをどう収納するのか。安全性の議論以前に採算と難工事を考えれば非現実で、モグラもお手上げだ。その熱意を自然エネルギーに振り向けたほうがいい。(呂)

2011年6月10日 東京新聞


「反原発を掲げる共産、社民両党以外の主要政党」ってのは、つまり「自民党」、「民主党」、「公明党」、「など」の4党ですね。僕は「みんな、国民新、たちあがれ日本、新党改革の各党」を「など」で済ませて「節電」だか「エコ」だか何だかをしていますよ。『東京新聞』のデスクの「呂」さんもそうすれば良いのに。

「呂」は口と口が糸を引いている図でありますが、最近そんな色っぽいこともないなとお嘆きの貴兄に、「地下原子炉」の安全性についてこの「4党」から、もう少し「安心」できる弁明があっても良かったのではないでしょうか。

「地下は地震と津波に強い」そうですが、地上は地震と津波に弱いので、地上から引いて来る電源は喪失することになるでしょう。従って炉心の冷却は不可能であります。地下30mに外部から水を注入することは出来ません。そこで地震が起これば水素爆発だか核爆発だか何らかの爆発は不可避となります。

この場合「地表に出る放射性ヨウ素は、地上式の十万分の一」だと言っていますが、「地下」だからといって密閉されているわけではありません。伴英幸さんは「配管」を問題にしていますが、要するに外部と繋がっているわけですから、そこのところが弱点になります。そこに圧力が集中して、派手にブッッ壊しながら放射性物質が放出されることになると思われます。

それでも全部出てしまうわけではないんで、その「地下」における放射線量は考えられないほど高くなるわけですから、このような場合に事故後に「作業員が近寄りにくくなる」てゆーか実際のところ近寄ればただちに健康に影響が表れて作業の続行が不可能になると思われますが、しかしそれは良いでしょう。近寄らなければいいんです。

もっとも近寄らないと事故はヒドくなる一方でしょうが、あとはメルトダウンでもメルトスルーでも勝手にやってもらうことにして、いっそのことロシアにでも行ってしまうだけです。ご愁傷様は「事故後」よりも「事故前」であります。

福島でも自衛隊の兵隊さんが水素爆発の爆風を浴びてますが、事故の様態によっては爆発の前に、爆発を防ぐ目的で、爆発の近くに人がいる場合があるでしょう。この場合、その人たちは比較的密閉された空間で爆発につき合わされることになります。

爆発のエネルギーはまず四方八方に広がりますが、圧力容器の構造上それは上に向かうでしょう。ところが地下なもんですから上が空いていないので一部は周囲の岩盤に伝わりつつ、地下の空洞内で一部は跳ね返って来たりして帰って来て、いわば渦を巻きながら、いわゆる「配管」というか逃げ道から出ることになります。

そういう場所にはあまりいたくありませんが、お役目でもってそこにいる人には苛酷な運命が待ち構えている可能性があります。てゆーか実は、それは結構楽です。ほんの一瞬のことに過ぎません。死ぬ前に一生を復習するフラッシュバックの暇もありません。気がついたら壁に叩き付けられて身体の中身を思いっきり開陳に及んでいます。まあ多分気はつきませんが。

そこで「事故後」には二重の危険が存在します。地上では考えもつかないような高濃度の放射線と、得体の知れないズルズルした物体を踏んづけて滑って転ぶ危険です。おそらくこの「危険物」を除去するためにワンちゃんが活躍するでしょう。このとき地下の空洞内は停電によって真っ暗であることに留意すべきです。ワンちゃんは夜目が効くばかりではなく鼻も効きますから、この手の「危険物」の除去には最適であるといえるでしょう。

もちろん「地下式原子力発電所政策推進議連」によればこのようなことが起こるはずはありません。したがってそのようなことが起こるでしょう。いずれにしても、タイトルはこの「ワンちゃん」たちのことなのですから、協力会社のみなさんは特に気を悪くされるには及びません。


posted by 珍風 at 22:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ヤバイことになったんで地下に潜るわ。ってこと。
Posted by ika at 2011年06月14日 16:54
いや、実はちゃんと排気筒というものが地上に出ていて、もしものときはこからより勢いよく、より高く、より効率的な散布が可能になっていますから、日本中どこにいても科学の恩恵に浴せるという寸法になってまして。
Posted by ぽぽぽぽ〜〜〜〜〜〜ん珍風 at 2011年06月14日 23:47
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