2011年08月01日

武器用ですから

原発への攻撃、極秘に被害予測 1984年に外務省


 外務省が1984年、日本国内の原発が攻撃を受けた場合の被害予測を極秘に研究していたことがわかった。原子炉や格納容器が破壊された場合に加え、東京電力福島第一原発の事故と同じ全電源喪失も想定。大量の放射性物質が流出して最大1万8千人が急性死亡するという報告書を作成したが、反原発運動の拡大を恐れて公表しなかった。

 欧米諸国は原発テロを想定した研究や訓練を実施しているが、日本政府による原発攻撃シナリオの研究が判明したのは初めて。

 81年にイスラエルがイラクの研究用原子炉施設を爆撃した事件を受け、外務省が財団法人日本国際問題研究所(当時の理事長・中川融元国連大使)に想定される原発への攻撃や被害予測の研究を委託。84年2月にまとめたB5判63ページの報告書を朝日新聞が入手した。

2011年7月31日 asahi.com


こんなことは誰にでも思いつきそうなことで、実際にそのような攻撃が行なわれなかったのが不思議なくらいです。どうして某国は目の前に並んでいる原子炉に見向きもしないで自前の核兵器を作ろうなどという無駄なことをやっているのでしょうか。日本は海岸線に原子炉を並べてくれているんですから、通常兵器で核攻撃が可能なのです。

外務省の想定では、(1)送電線と設備の破壊による「全電源喪失」、(2)爆撃による「格納容器破壊」、(3)弾道ミサイル等による「原子炉直接破壊」という3つのシナリオが考えられていて、被害予測がされたのは(2)だけのようです。(1)については被害予測がされたのかどうか不明なのですが、現在福島でやっているところですから今更「予測」でもなかったりします。

そんでもって(2)の場合に緊急避難がなされなかったときに「急性死亡」が最大18,000人、「急性障害」が41,000人。18km圏内の住民を5時間以内に避難させた場合「急性死亡」が8,200人、「急性障害」が33,000人とされています。「長期的影響」としては癌死亡24,000人であり、37km圏内が居住制限地域となる、とされています。

(1)と(2)違いはメルトダウンに至る時間の違いだけなので、「長期的影響」については(1)と(2)に違いがないかも知れません。つまり現在進行中の(1)において、2万4千人の癌死亡が予想されており、37km圏内の居住が制限されるであろうと考えることができるのです。

(3)の場合は爆発的な反応が起こる可能性もあり、原子炉がたくさん集まっていればそれが全部爆発する可能性もありますが、おそらく「何が起こるか分からないがロクなことは起こらない」とでも思ったんでしょう。被害予測は書いてなかったようですし、対処出来ない被害は予測する意味がなかったりもします。

ところでこのリポートが公表されなかったのが「反原発運動の拡大を恐れ」たためである、というのは誰が言ったことなのかよくわかりません。まあ当時「反核運動」というものがあったわけですが、それだけが理由であるとするのは極めて甘い考え方であるといえるでしょう。今日から見ると、これには軍事機密としての大きな意味があります。要するに「原発」は「兵器」なのです。

もちろんそれは敵にとっての兵器でもありますが、敵国の原発はこちらにとっての兵器となりうるのです。このことから、敵国の原発は多ければ多いほど良く、自国の原発は少なければ少ないほど良いことになりますが、他国の原発を増やすためにそれを「輸出」することがひとつの方法です。日本政府は現在そのために多くの努力を傾注しているわけですが、これはその国の喉元に匕首を突きつけるようなものです。なんといっても自分で設計した原子炉ほど攻撃しやすいものはありません。

なるべくだったら「原発が攻撃を受けた場合の被害予測」をやっているような国の原子炉は買いたくないものです。原子炉は攻撃されるものだと思っている人は、他人の原子炉は攻撃するものだと思っているに決まっています。たとえばそういう人たちは原子炉に攻撃しやすいようなバックドアを内緒で設定しているかもしれないではないですか。したがって「原発」を「国家防衛」的に輸出しようとする場合、それは「平和利用」であるという建前を愚直なまでに固守する態度を示すことが必要なのであり、「原発が攻撃を受ける」ことを想定すらしないような顔をしているにこしたことはありません。

しかしながら、じゃあどうして日本国内に「原発」をあんなに沢山作るのか。ここで逆に国内の「原発」も「国防」として定義することが出来なければなりません。そもそもどうして「東京に原発を」建設しないのか。それは東京が東京を攻撃することはないからでしょう。しかし「地方」に「原発」を置くことによって、自国の一部を「切り離す」ことが可能になります。例えば「不沈空母」とはそういう意味だったのかも知れません。浸水が起こったとき、船体の一部を放棄することによってバランスをとって転覆を防ぐ、みたいな発想なのかも知れません。

あるいは被占領地域の「原発」を攻撃してしまう、というくらいのことは本当に考えているとみて差し支えないでしょう。攻撃された所は頑張って守らないと、お国のために死んで貰います。不器用ですから。


posted by 珍風 at 22:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
格納容器ごと発射できる様にしときゃゲンパツにも攻撃兵器にも使えていいやね。
Posted by ika at 2011年08月02日 11:58
北の海岸ではもう、下部から推進物質を噴出し始めてるらしい。原発推進ロケットは世界初。
Posted by 珍風跡を濁さず at 2011年08月03日 06:06
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