2011年09月20日

年上の新米が仕事のできないヤツで困ってしまいました

しかし案の定、「日本の農業が壊滅的な打撃を受ける」「地域社会が崩壊する」とTPPに対して農業関係者が猛然と反旗を翻した。表明の環境が整うまで待ったことも「唐突」「拙速」と批判を浴び、裏目に出てしまった。さらに民主党内に国会議員百十人を集めて山田正彦前農水相を会長とする「慎重に考える会」が発足。鳩山由紀夫前首相ら小沢一郎民主党元幹事長と関係の深いメンバーが名を連ねたほか、国民新党の亀井静香代表まで加わったことから、政治抗争の色合いまで見せ始めた。

米軍普天間基地の移設問題を抱える沖縄県には砂糖、衆院補欠選挙が迫っていた北海道にはデンプンという保護品目がある。寝た子を起こす事態を招く恐れもあった。

吹き荒れる反発の嵐の中、民主党内を何とかまとめ上げようとしたのが、山口壮筆頭政調副会長を座長とする「APEC・EPA・FTA対応検討プロジェクトチーム」だった。わずか一カ月の間に開いた会合は十数回。「TPPは全部の関税をすべてゼロにしてしまう。とんでもない話だ」とまくし立てる山田前農水相に対し、直嶋正行前経産相が「感情的な議論はよくない。100%自由化を迫られるというのはうそだ」と反論する場面もあるなど、推進派と慎重派の激しい応酬が続いた。

もっとも、党としては政調会が復活して初の大型案件で空中分解≠オ、政府に一任という事態はどうしても避けたかった。そうこうするうち、TPPにマレーシアが加わって交渉参加国は九カ国に拡大。APEC首脳会議も迫って意見集約は急務となってきた。

こうした中、党と並行して議論を進めてきた政府が取りまとめたのが、TPPに参加した場合の経済効果を示す試算だった。内閣府がマクロ経済への影響を計る「GTAPモデル」でGDPを0.48〜0.65%引き上げる効果があるとはじき出した段階で「プラスなら実施するべきだ」(平野達男内閣府副大臣)と決着が付いたはずだった。ところが、農水省が七兆九千億円のGDPが失われ、三百十万人の失業者が発生すると試算。一方、経済産業省がTPPに参加しなかった場合として、GDPが十兆五千億円減少すると試算したことから議論は混迷の度を深めた。

結局、推進派と慎重派の溝を埋めることはできなかったが、TPPの「協議」に入るが「交渉参加を前提」ではなく、原則関税撤廃と分かっていながら「WTO整合的」、つまり重要品目として農産物を守ろうという妥協点を見いだし、党の提言として政府へ提出した。

「党は政府の土台」(山口筆頭政調副会長)という事実から逃れることはできず、閣内で「交渉参加」にこだわった推進派の仙谷由人官房長官、前原誠司外相も折れざるを得なくなった。産業界の意向を代弁するはずの大畠章宏経産相が、鳩山グループの一員であるためか、慎重派に転じたことも推進ムードを抑え込み、「TPP協議開始」に落ち着いたというわけだ。

APEC首脳会議での菅首相の「TPP協議開始」表明は、日本の国内農業問題を熟知している関係各国に、とりあえず温かく迎え入れられはした。だが、新設する「農業構造改革推進本部」を通じた戸別所得補償の拡充や農業経営の大規模化など農業対策の具体化はこれから。さらに農産物や工業製品などモノと並んで労働力の受け入れを自由化する「人の移動」、「非関税障壁」を取り除く規制緩和の問題にも正面から取り組まなければならない。郵政問題がやり玉に挙がる恐れから、既に国民新党は反発を強めている。

http://www.chosakai.gr.jp/news/pdf/2212.pdf


これは2010年11月時点までの環太平洋戦略的経済連携協定をめぐる状況のようです。ナカナカの名文章であると言えましょう。これは「新聞通信調査会」というのが発行している2010年12月1日付『メディア展望』に掲載された「TPP参加問題、これからが正念場 「経済大国」幻想からの脱却不可欠」という記事の一部でありまして、筆者は今をときめく時事通信社経済部の鈴木隆義さんであります。

「新聞通信調査会」は社団法人同盟通信社の「文化遺産的な資料と資産の一部」を継承するとともに調査研究部門が独立した財団法人通信社史刊行会が改称した組織ですが、いわば民間の大本営、大日本帝国広報部としての同盟通信社の魂を受け継ぐ由緒正しい組織であります。

そういうわけでこの号の『メディア展望』も、イキナリ1面からアグネス・チャンが出て来るという「文化遺産的な資料」の一部を構成しているわけですが、鈴木さんの書き物は2番めであります。チャンさんの写真は掲載されていますが、残念ながら鈴木さんの御真影はございません。最近では出回っておるようですが、やはり載せるようなものではなかった模様であります。

ここでは、鈴木さんにしてはまあ、比較的丁寧な言葉遣いで書いておられるようです。もっともこれはいわば「独り言」でありますから、あえて乱暴な言葉遣いをする必要もないのであります。普段はいい人なのかもしれません。少なくとも1人だけでいる時には他人に乱暴なことを言ったりしないようです。

相手が存在する場合にはその限りではない、とはいうものの、鈴木さんだって一種の「ルール」のようなものを持っているのです。自分の言動については「ルール」が存在しない鈴木さんも、他人に向かって従うように要求するような種類の「ルール」は豊かに持ち合わせているようです。それは例えば上記の文章にもちゃんと出て来るのであります。

鈴木さんによればAPECで「TPP交渉参加」を打ち出せず、「協議開始」に留まったのは、イロイロあるとしても「主犯」は大畠さんのようです。大畠さんは経済産業大臣なのに「産業界の意向を代弁」しなかったのです。「するはず」なのにしなかったのであって、これはしない人が悪い。

鈴木さんの「俺ルール」によれば経済産業大臣は「産業界の意向を代弁するはず」の犬でなければなりません。経産相なんてゆーものは黙って頸断連の言うことを聞いていればそれでいいんだよ。それは国民に荒廃と犠牲を強いるかもしれませんが、金持ちさえ金が儲かればそれは問題ではありません。何を隠そうそれが経産相のお仕事なのですから仕方がありません。そう考えると確かに、鉢呂さんは経済産業大臣としてやるべき仕事をしていないのであります。これは由々しき事態であり、なんとしても何とかしなければならないかんとかではないでしょうか。

そういうわけで鈴木さんは鉢呂さんに対してすっかり腹を立ててしまったようです。鉢呂さんは分を越えて余計なことをしようとし、「主人」に逆らった、と言うほど華々しい活躍をしたわけでもないのですが、少なくとも畏れかしこまって恭順の意を表するという態度にはほど遠いものであったことは確かです。鈴木さんは古参の奴隷として、使い物にならない新米の奴隷に対してなすべきことをなした、ということが出来るでしょう。乱暴に怒鳴りつけるだけでは足りません。本当はウラに連れて行ってしたたかにぶん殴るのがスジと言うものです。


posted by 珍風 at 06:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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