2011年10月27日

ビンボー人には回ってこないメリットとビンボー人に押し付けられるデメリット

単純労働者、ただちに来ませんからっ!
 TPP交渉参加の不安に政府が反論



 民主党は17日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加の是非を話し合う経済連携プロジェクトチーム(PT、鉢呂吉雄座長)の会合を開いた。政府側は、参加慎重派が懸念する外国人単純労働者の大量流入や、医療保険制度の大幅変更といった事態が起きない見通しであることを強調したうえで、交渉参加に理解を求めた。政府は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合までに、交渉参加の合意を取り付けたい考えだ。

 TPP交渉への参加をめぐっては、主に(1)外国人労働者や専門家の受け入れ(2)医療・保険制度(3)食品安全−の3分野で、党内の慎重派や日本医師会、全国農業協同組合中央会(JA全中)など関係団体から反対論が強まっている。政府は「(反対意見には)誤解に基づくものも多い」(枝野幸男経済産業相)として、説得を急いでいる。

 この日のPTで政府側は、労働者の流入について「短期商用目的や企業内転勤のケースは(移動自由化の)交渉対象だが、単純労働者は対象外」と説明。「流入が容易になるとは考えられない」と結論付けた。海外資格を持つ医師、弁護士など専門家の受け入れでも「海外資格をそのまま国内資格として承認する義務はない」として、即時の大量流入を否定した。

 一方、医師会などは、営利企業の参入による医療の質の低下や、保険診療と保険外診療を併用する「混合診療」解禁による医療格差の拡大を懸念。これについて政府は「いずれも交渉の対象外」として、国内の現行制度が維持される見通しを強調した。

 輸入食品の安全性確保については、仮にTPP交渉に参加した場合でも、検疫制度の変更などを一方的に求められるとは考えづらく、「たとえ求められても受け入れない」方針だ。

 政府側はPTを通じて慎重派の不安を払拭したい考えだが、慎重派の間ではPT役員の人選や会合の進め方といった導入部分ですでに異論が相次いでおり、今後、議論の難航も予想される。

2011年10月17日 産經新聞


日本がアメリカに「求められて」「受け入れな」かったことがあったのかどうか知りませんが、いやまあ、ちょっとはあるんですが、たいていの場合は何だかんだ言って受け入れる、最初のうちは受け入れないけど何年かすると忘れた頃に受け入れたりしているようですから、政府の「方針」というものも、どうだか分からないシロモノではあります。

TPPは原則として全面的な障壁の撤廃ですから、「交渉の対象外」であることは「国内の現行制度が維持される」ことを必ずしも意味しません。逆に当然のように「単純労働者」が「流入」してきたり、「海外資格をそのまま国内資格として承認する義務」が生じる可能性があります。

もっとも、政府も「即時の大量流入を否定」しているだけですから、これは枝野さんが得意の「ただちに影響はない」をここでも言っているわけです。今の若い人は将来の展望がないそうですが、枝野さんだってそんなものはありません。政府はその日暮らし、宵越しの考えは持たない方針です。

とはいえ、単純労働者がやって来る前に問題になりそうな点もあります。この分野では「輸出競争力を高めるために労働条件を不当に引き下げて安い製品を生産することは認めない流れ」なんだそうで、これも政府の説明ですからアテにはなりませんが、もしそうだとすれば日本経済には大きな打撃となるでしょう。

「輸出競争力を高めるために労働条件を不当に引き下げて」いる国がありまして、そこの国の人が過重労働で死亡するとその国の言葉で「Karoshi」というそうです。かの国の経営者の団体は、「国際競争力の強化」のためにはそのような事態も避けられないとしており、更により一層の「労働条件の不当な引下げ」を求めている模様ですが、アメリカはイザというときにはこの国に対してツッコミを入れる可能性を手にします。

もちろん日本の頸断連などは、TPP協定国間でILOよりも低い労働基準が通用することになると予想していると思われ、それは多分事実です。なるほど「労働条件を不当に引き下げ」ることは認められていないようですが、単に「労働条件を引き下げ」ることは認められているのです。しかし何が「不当」かどうかを決めるのは、必ずしも正当なプロセスではないかも知れません。ある国が特定の産業分野で国際競争上不利になった場合には何を言い出すことか分ったものではありませんし、それはお互い様とはいえ、頸断連もあまり手放しで歓迎できることではないことは確かです。


posted by 珍風 at 07:06| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
エントリーネタに関係ないけど笑えるネタなんで貼ってみた
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111026-OYT1T00166.htm?from=top

それだけじゃ申し訳ないんで関係あるネタ。マイニチにしちゃぁマトモ。どこやらが反対したからか。そうかそうか。
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20111027k0000m070140000c.html
Posted by ika at 2011年10月27日 09:31
「エントリーに関係ないネタ」こそ「コメント」の真骨頂だ!

と言い切ってしまうと問題があるんだが、そこはコメンタのセンスなのかも知れない。とにかく石原さんは面白い。面白すぎる。十万石ですよ。

それはともかく、位川さんは良く書いたと思う。これは自民党の西田昌司さんなんかも言っていることで、曰く「日本のデフレを解消して日本の経済をもう一度元気にさせるためには【輸出じゃなくて】、【国内の内需】をどんどん伸ばしていかなければならない。」

TPPに乗らないことで、内需を拡大せざるを得ないように、いわば「内圧」を加えることが出来るかどうかなんだが、TVでやってるような「TPP推進派」ってのはみんな外国の富裕層向けの商売をやっていて、価格で競争していない人たちばっかりなんだね。そういう商売は多少の関税がどうであろうとあまり関係なかったりする。

現状でも充分成功してる人たちが更にお金を儲けましょうって話はほとんどの人にはあまり関係ないよね。それよりも主要企業が国内を日干しにして海外で儲ける、日本国内のビンボー人は捨てて自分だけ外国相手に儲けよう、ってのが問題だ。

マーケットを海外に求め、労働力の供給も海外に求めようってんだから、日本で日本人のような顔をしている日本人は日本政府と日本の金持ちに見捨てられる、見捨てますよ、てのがTPPだと言って良いんじゃないか。

もっとも、各国とも同じことを考えているからどこの国の市場も荒れ放題、右も左も真っ暗闇じゃあござんせんか、てな可能性もある。だったら内需を育成していった方が良いわけだが、他の国はそんなことは考え済みかもしれないんだよ。

日本だけが、なんだか急かされてバタバタと参加してしまいそうで、しかしそれがTPPの賭け金かも知れない。どこの国だって経済を立て直すのは大変だが、どっかの外国が犠牲になってくれるとそれは容易になるんだとすれば、それは日本なのかも知れないのね。日本、てゆーか日本のビンボー人の人たちだけどさ。
Posted by 私だけの十字架珍風リアーノ at 2011年10月27日 22:31
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。