2006年09月18日

押し掛け弔辞

謹んでお悔やみを申し上げます。ここに故人の偉大な業績をご列席の皆んとともに振り返ってみたいと存じます。

故人は一般には「ハウステンボス物語」などのサラリーマン本のライターだと思われていますが、本当は実に色々な分野に手を出しておられまして、宗教を語れば「教祖誕生」が知られていますし、「池田大作の3分間スピーチ」なんてのもあったりします。池田大作ばかりでなくて、政治の方では「小泉純一郎の痛快語録」も聞いて来たそうでありますし、なんとアイドル本「岡田有希子はなぜ死んだか」まで出してしまうという、まさに八面六臂の大活躍でありました。

しかし故人の名を天下に知らしめたのはやはり「スパルタの海」をおいて他にはありますまい。http://totsuka-yacht.com/suparu.htm何しろ当時はTVにもさかんにご出演なさっておられましたから、顔まで売ってしまいました。しかしながらこの本は数ある「犯罪実録本」の中でも極めて特異なアプローチがなされていることでもよく知られているのです。

実は故人には何かを批判する著作というものがほとんどありませんでした。故人の著書で扱われている取材対象はだいたい褒めてあります。批判的な態度や批評的なスタンスを控え、あくまで対象に寄り添いつつ、相手が胸襟を開く瞬間をとらえてその深層に迫る、と申しましょうか、相手の書いてもらいたいことを書くことにすれば取材は容易だし本も沢山出せるわけです。まあそいつは何よりだと僕などは感心をしてしまうのですが、故人は相手が堤義明だろうと本田宗一郎だろうと小泉純一郎だろうと池田大作だろうと戸塚宏だろうと一貫してこの執筆方針を貫かれました。

もちろん、「犯罪実録本」のなかには犯罪者に比較的同情的なものも少なくありません。犯罪者の中には不幸な境遇からやむを得ず犯罪に導かれた者がおり、大義のための犯罪があり、無実の罪に苦しむ人がいます。このような時にあるいは犯罪者に同情し、その大義に理解を示す書き手がいますし、冤罪を晴らす戦いを支援する目的で本を書く人も別段珍しいことではありません。しかしながら積極的に犯罪行為を支援するという立場を表明したのは故人くらいなものではないでしょうか。戸塚氏は人を殴り殺すのを「信念」とする連続殺人者ですが、氏の運営する「ヨットスクール」を「支援する会」というものが存在することはよく知られています。石原東京都知事が恥ずかしげもなく会長を務めるこの会ですが、故人もこれには積極的に参加しておられました。

戸塚ヨットスクールを支援する会
会長:石原慎太郎(東京都知事)
伊東四朗(俳優)、伊藤玲子(鎌倉市議会議員)、植芝守央(「合気会」当主)、鍵谷武雄、加瀬英明(外交評論家)、上之郷利昭(ジャーナリスト)、河西善三郎、木下吉信(大阪市議会議員)、国重光煕・晶(潟gリム)、栗原俊記、小嶋一碩(千草ホテル)、小林則子、小室直樹(作家)、近藤建(潟sコイ)、榊原康三(西尾市議会議員)、澤龍(サワズ)、信楽充男(願エ州路)、篠宮良幸、嶋崎和明(嶋崎犬猫病院)、白岩正通(白岩工業)、鈴木和孝(鈴木コーヒー)、鈴木絢詞、高池勝彦(弁護士)、高花豊(テイケイ)、田代ひろし(東京都議会議員)、立川談志(落語家)、田中健介(潟Pン・コーポレーション)、田中博政(共栄コンクリート)、柘植久慶(作家)、津田佐兵衛(活苴對ェツ橋本舗)、土屋たかゆき (東京都議会議員)、寺岡直彦(鰍トら岡)、戸塚マツ、殿岡昭郎、中澤茂和(月曜評論社)、中村シカ郎(有倫間学園)、中村実(船橋市議会議員)、西村眞悟(衆議院議員)、日野晃(武道家)、福原寿万子(福原病院)、堀本和博(叶「界日報社)、眞鍋晃篤、水島毅、南丘喜八郎(鰍j&Kプレス)、三宅博(八尾市議会議員)、三輪和雄(日本世論の会)、茂木弘道(叶「界出版)、森下敬一(自然医学会)、山本善心、横田建文、渡辺正廣


しかしこの事実をもって故人が「法律などくそくらえ、殺人万歳!」などという危険思想の持ち主であると考えるのは早計でしょう。出来ることなら人殺しは避けたい、しかし人間というものは誰か他の人の(堤義明の、池田大作の、小泉純一郎の、戸塚宏の、都知事の、両親の)いうことを聞くために生まれて来たんだから、それが出来ねえ奴は死んで当然だ、くらいには考えていたかも知れません。しかしそれこそが「法の精神」なのではないでしょうか。その意味では故人ほど法律を重んじた人はいなかったと、僕は思います。

それにしても気になるのはアイドル本「岡田有希子はなぜ死んだか」のことです。この件に関しては当時から色々な話があったわけですが、彼女の死と石原プロモーション所属俳優との関係も噂として囁かれていたものでした。それが故人の著作によってはっきりと否定されてみると、やはり石原慎太郎の弟の会社と何かあったに違いないと誰もが逆に疑いを深めてしまうあたり、故人の「ジャーナリスト」としての才能の高さに改めて感銘を受けるのです。

願わくは故人のいつまでも安らかに間違いなく永久に眠りたまわんことを。そして故人の尊敬する友人が速やかにそのもとに至って故人を慰めんことを。

平成18年9月20日 神楽坂毘沙門天にて
posted by 珍風 at 23:49| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2006-09-19 11:09
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