2012年08月23日

僕たちはいつまでこんなブログを続けるのか?

労働問題の解決をどこに求めるべきか(石川源嗣)


全国一般東京東部労組機関紙『東部労働者』2012年8月号
コラム<二言三言> です。

労働問題の解決をどこに求めるべきか

8月5日、「過労死をなくそう!龍基金」第 6回中島富雄賞授賞式が開催されて、ワタミ過労自殺遺族の森豪さん、祐子さん夫婦が受賞された。

その授賞式で中島賞選考委員の平野敏夫さん(東京労働安全衛生センター代表理事)は「職場の労働組合の力で過労死を防止するのが一番基本のことではないか」とあいさつした。

まったくその通りで、ここに過労死はじめ労働問題の核心がある。

しかし最近それに反する主張が目につく。たとえば、ベストセラーになっているという木暮太一著『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』(講談社2012.4)がその典型だ。

そこでは、「みなさんは、いまの自分の働き方に満足していますか?みなさんは、いまの働き方をずっと続けていきたいと思っていますか?」とか「働いても働いても一向に給料は上がらないし、どんどん仕事の量が増えて、忙しくなってきているような感じもします」と正常な問題提起をしておきながら、結論を「それを解決することのできる方法は長期に耐えうるスキルを身につけること」に落とし込んでいる。

資本主義社会で労働者のおかれている実態は「賃労働と資本」の関係でしかありえないのに、的を外させるために、労使関係以外の所に活路を求めさせようとする傾向は多種多様な手法を使ってこれからも続くであろう。

日本国民の大多数を占める労働者が自ら実際に働く労働現場で、人間らしく働きやすい(ディーセント・ワーク)環境を労働者自身の力で築くために努力すること、すなわち経営者と闘うことが一番肝心なことである。

過酷な労働実態とその真の解決策から目をそらし、いくら苦しくてもそこから逃げて安易な別の道を探しても働く者にとって、それは真の解決にはならない。

私たちの回答は、「労働者にとって最強のセーフティネットは労働組合!」、「労働問題を労働組合加入で解決しよう!」でしかありえない。

労働者が労働組合を武器に経営者と闘ってはじめて問題は解決する。

問題はこのように立てられなければならない。(石)

2012年8月22日 レイバーネット


このようにすれば「問題は解決する」、というのは「問題の立て方」ではないような気もしますが、まあいいです。「過労死」は「ディーセント・ワーク」どころの騒ぎではないように思えてなりませんが、それもいいとしましょう。ここでの問題は、今を時めくベストセラー作家の木暮さんなのです。

木暮さんは『資本論』を援用して給与の決まる仕組み、てゆーかあなたの給料がどうして安いのか説明してくれているわけですが、だからといって同業種でも企業規模によって結構な賃金格差が存在することを説明し切れているわけではありません。そういうことを言い出すと「大企業の正社員」が色んな意味で有利であることになるわけですが、そんな事を書いても本は売れないのです。

むしろ木暮さんは、「解決策」として、「長期に耐えうるスキルを身につけること」を推奨している様です。まあつまり労働スキルを「資産」に見立てて、労働が高価に売れるようにしましょう、という話なんですが、特段の面白味はない様ですし、これが「労使関係以外の所に活路を求めさせようとする傾向」であるとも思い難いものです。

むしろ木暮さんは「「時給は低いが、将来の土台を作れる仕事」と「時給は高いが、将来何も残らない仕事」のどちらかで考えてみます。自分が仕事を選んできた基準を振り返ってみてください」などと、むしろアカラサマに「時給の低い仕事」に誘導している様なのですが、将来「アーティスト」になりたいと思っている人も同じようにして「時給の低い仕事」に甘んじている可能性があります。これも同じように「夢」を追っているわけですが、その「夢」が少しばかりチンケになっただけのことではないのか、という疑いが残ります。

しかしながらセコい話はセコいなりに、あしたのジョーよろしく「資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?」という反省を毎日することが必要になって来たりするようなのですが、しかしこれは「安易な別の道」どころか「過労死」まっしぐらの死のロードではないでしょうか。確かに会社の朝礼で当番で何か喋んなきゃいけない様な人には格好の無難なネタを提供する「良書」であることは間違いありません。

多分石川さんは木暮さんを誤読していると思われます。確かに「正常な問題提起」は行なわれているかもしれませんが、「結論」は「正常」ではあり得ません。木暮さん自身が「ビジネス書」としての「正常な結論」を拒否しています。あるいは「正常な結論」を回避することによって「ビジネス書」の枠内に留まろうとします。何故なら木暮さんによれば「程度の差はあれ、資本主義経済の中で生きる企業は、みんな元来「ブラック」なのです」。

木暮さんは「資本主義は「ブラック」だ」と言っています。昔は無政府主義が黒だった様ですが、今は資本主義が黒い。「ブラック」である以上、そこには「正常」などあり得ないのです。現に木暮さんの提示する「解決策」自体が「ブラック」の見本です。「スキル」は陳腐化するのでいくら積み上げても「資産」としての価値はありません。今日やった仕事は明日には古臭くなっていますから「長期に耐えうるスキル」などというものは存在しませんし、今やっていることが「将来の土台」になることは、原則としてありえません。しかしながら「将来の土台」だとか思わせることによって時給を低く抑えることが出来る可能性が示唆されているのです。

しかし「ひとは、1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価する」のです。「資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?」などという愚かしげな問いを自らに投げかけるという嘆かわしい習慣は、1年も経てば立ち直れない程身に付いてしまうかもしれません。しかし「10年」もすれば、自分の「資産」がゴミ屑と化していることに気がついたりもするものです。

その時になって木暮さんを恨んでみても仕方ありません。僕だって石川さんに負けない誤読をするもんですから、「働いても働いても一向に給料は上がらないし、どんどん仕事の量が増えて、忙しくなってきているような感じも」するのは「資本主義経済の中で生きる企業は、みんな元来「ブラック」」だからに決まっているじゃんか、と読んでしまうのですし、そう読まなければ木暮さんには分からないらしい「10年でできること」が何のことやらさっぱり分からないのです。本当に「10年でできる」かどうか知りませんが。30万人が殺されないうちに。


posted by 珍風 at 23:01| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
連合・サービス連合傘下の

関汽交通社労働組合へ

女性のつきまとい行為やめさせてください。

特にお局さまは大迷惑です。

女性のしつこいアタックにノイローゼになりそうなほどの精神的負担を与えられているので、「平穏に生活する権利」を侵害されています。

まずは、女性に対してこれ以上付きまとうのであれば、損害賠償請求をするとの警告してみてはどうですか?

しかし、それでは効かないようでしたら、裁判所に請求して、女性からの接触を禁止する面談禁止の仮処分を出してもらうようにすることができます。

それでも、つきまとうようであれば、身の危険も考えられますので、警察の保護を受けることを考えた方がいいと思います。

面談禁止命令をもらっておけば警察も動きやすく、強要罪として逮捕してくれるかもしれません。

また、警察は「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」による禁止命令を出すことができます。

「特定の者に対する恋愛感情その他の行為の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で同一人に付きまとった待ち伏せしたり、住居に押しかけるなどの行為を反復して行った場合、ストーカー行為として取締りの対象になるとされています。

ストーカー行為をした者は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられ、警察署長等の禁止命令に従わずストーカー行為を繰り返した者は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる事となっています。
Posted by 連合・サービス連合傘下の at 2012年08月25日 22:25
おなじみの関汽交通社です。いつまで続けるのか?
Posted by おじなみ珍風 at 2012年08月26日 04:54
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