2012年09月28日

処刑は身勝手に、残忍に

男女の死刑執行 福島の4人殺害など

 
 法務省は二十七日午前、男女二人の死刑を執行したと発表した。前回八月三日から二カ月弱での執行で、滝実法相の下では二回目。昨年は十九年ぶりに年間を通じて執行されなかったが、野田政権下では三回目、今年に入って計七人の執行となった。女の死刑囚の執行は一九九七年以来で、五〇年以降で四人目。今回の執行により未執行の確定死刑囚は百三十一人になった。

 滝法相は記者会見で「いずれも身勝手な理由から尊い人命を奪った残忍な事件。前回の執行前から、この二件について調査してきた。前回から二カ月足らずではあるが、調査が完了したから執行した」と述べた。

 法務省によると、死刑が執行されたのは、江藤幸子死刑囚(65)=仙台拘置支所=と、松田幸則死刑囚(39)=福岡拘置所。

 確定判決などによると、江藤死刑囚は九四〜九五年、福島県須賀川市で共同生活していた信者を除霊と称して太鼓ばちで殴るなどして四人を殺害、二人を死亡させた殺人と傷害致死罪などで、一審福島地裁が死刑を言い渡し、二審仙台高裁も支持。最高裁が上告を棄却し、二〇〇八年十月に死刑が確定した。

 松田死刑囚は〇三年、熊本県宇城市で、借金の返済金欲しさに女性=当時(54)=と同居の男性=同(54)=の胸を包丁で刺して殺害し、現金七万円などを奪った強盗殺人罪などで、一審熊本地裁が死刑を言い渡し、二審福岡高裁も支持。上告したが〇九年四月に取り下げ、確定した。

2012年9月27日 東京新聞


松田さんはその犯行が「強盗殺人罪」を構成するかどうかで争われている例です。判決では松田さんが被害者から借金をした時に被害者が「高級腕時計」を着用していたのを見たことをもって、犯行時に「腕時計」を奪って来た点を助けとして、「強盗」の動機としているようです。しかも松田さんは犯行の2日前に、知人に「良い儲け話がある」と持ちかけていたとされています。

僕も「高級腕時計」は好きですが、九州の裁判官たちも「高級腕時計」に対する思い入れは極めて強い様です。実際の被害は現金約83,000円也及び「高級」かどうか不明な「腕時計」その他約24万円相当の物品というわけですから、これのどこが「良い儲け話」なのか分かりません。それは別のもっとマトモな犯罪を考えていた可能性もあります。

一方で松田さんによれば、被害者が松田さんの父親の不動産を狙っていた、てゆーか返すアテのない借金をしたばかりに取られそうになっちゃったとしています。お金を返さないとそういうことをされるわけですから、お金というものは集まるところに自然と集まることになっていますが、そうなるとこれは個人的な防衛問題ということになります。わずかばかりの土地を守るためには人殺しをも辞さない、ということらしいのですが、個人の不動産を巡る防衛問題が国際社会に波紋を呼んでいる現在においては、これは広範な共感を呼ぶべき事例でありましょう。

もっとも、そんな事に共感する人は一種の「憑依トランスに陥っ」ているのかも知れません。トランスもみんなでやれば怖くありませんが、1人でやっていると罪になる、というのが江藤さんの例です。とはいえ実際には江藤さんは1人ではなく、10人のトランス仲間と一緒になってやっていたわけですが、一審判決によれば江藤さんは「自分の神格的権威を保つため、邪魔者を排除しようと」して犯行に及んだそうで、まるで天皇のような人です。

いずれにしても日本政府は「身勝手な理由から尊い人命を奪った残忍な事件」を全て死刑にするわけではなく、てゆーか場合によっては罪に問うこともないばかりか、野放しにして「残忍な事件」を繰り返させることも多い様です。まあ、身勝手な政策で尊い人命が失われても平気なんですからそれも当然なんですが、「身勝手な理由から尊い人命を奪った残忍な事件」だなんて、滝さんに言われてもちょっと対応に苦慮します。しかしながら「身勝手な理由から尊い人命を奪う残忍な政府」に限って死刑制度を手放したがらないというのも理にかなったことではあるでしょう。


posted by 珍風 at 07:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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