2013年04月18日

最低国家の最低法規

労働者派遣緩和へ「国際テスト」=業種・期間を検証−規制改革会議


 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は17日の会合で、労働者派遣制度や一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売規制など14項目について、国際比較によって妥当性を検証する「国際先端テスト」の対象とすることを決めた。テストの結果、合理性が認められないと判断すれば、関係省庁に規制緩和を要請する。派遣規制の緩和をめぐっては与野党の賛否が分かれており、夏の参院選で争点になる可能性がある。


 労働者派遣の対象業種や派遣期間の拡大は、経営者側の要望が強い。一方、派遣労働者の多くが正社員として働くことを希望しており、不安定な就労形態には労働者保護の観点から問題も指摘されている。派遣規制の緩和について、自民党や日本維新の会、みんなの党が前向きなのに対し、民主、生活、共産、社民の各党は慎重あるいは反対の立場だ。

2013年4月17日 時事


「国際比較によって妥当性を検証する」なんて書いてあると漢字が九つもあって立派に見えますが、分かり易く言うと「みんながやってるから」という意味です。みんながやってるから「妥当」だなどと言うのは餓鬼が玩具をねだっているようなもんで、オトナの人が言うようなことではないんですが、歳ばっかり食った餓鬼がそこら辺をとっ散らかすのが日本語で言う「政治」だということになっております。

そんな餓鬼共が「合理性」などという難しい言葉を使っていても、どうせ意味が分かっていません。てゆーか餓鬼は周りの人が喋っているのをきいたりして言葉の意味を習得していくものですが、この餓鬼共は恵まれない環境に育っているんですから仕方がありません。極めて庶民的な、卑近な、と言うよりはむしろ下衆な意味でしか理解していないのは、この言葉に触れる機会がお母さんが台所用品なんかについて文句をぶっこいているような場面でしかなかったことを思わせます。

ごうり‐せい〔ガフリ‐〕【合理性】
1 道理にかなった性質。論理の法則にかなった性質。
2 むだなく能率的に行われるような物事の性質。「―に欠ける役割分担」

「デジタル大辞泉」


言葉の意味に松も竹も梅もないので、差別することは本意ではありません。上も下もありませんが、それでも1と2があるようですから、やっぱり第一義と第二義があるわけです。そこで混乱が生じるといけないので単に指摘するに留めますが、岡素之さんのごとき、殊に恵まれない環境に育った餓鬼にわかるのは「2」の方です。そんな餓鬼は何か便利なことを「合理性」と言って憚りません。彼等にとって「道理」だの「論理の法則」だのは生まれ育った環境からは想像もできないほど遠い世界の出来事なのですから理解しようもありません。

何とも哀れを誘う話ではありますが、記事の中で使われている「合理性」という言葉について誤解が生じるといけないもんですから書いてあげているのです。てゆーかそもそも「国際先端テスト」に「道理」などというものの介入する余地はありません。「合理性」というのは時事通信社の記者が何の断りもなく持ち出した言葉であります。そう考えると時事通信記者さんもお里が知れるというものです。

自民党によればそれは

企業の活動のしやすさを世界最先端にするための国際先端テスト(企業の活動を妨げる制度的障害を国際比較した上で撤廃する基準)を導入します。

「私たちには、日本を再生するシナリオがある。」自由民主党2012年
http://www.jimin.jp/policy/re/index.html


ということですから、すなわち様々な制度などについて「国際比較」を行い、日本のそれが最も「企業の活動」が「しやすく」それを「妨げない」ものにする、ということです。確かに「道理」の欠片もないわけですが、しかし「合理性1」を無視して「合理性2」によって下された判断が結果として「合理性2」を裏切ってしまうのも「合理性1」の故であります。

即ち様々な国家においてシステムの一部として存在する諸制度は、他の制度との相互的な関連において作用しているところ、それらをバラバラに検討の対象とすることに果たして意味があるのかどうか、ある部分はインドの、他の部分は北朝鮮の、またある部分はトンガの制度や規制をかき集めて来て組み合わせてみて上手く稼働するかどうかは定かではありません。

まあ餓鬼の考えることですから期待する方がおかしいんですが、しかし、ここにはこの不器用なブリコラージュを統合する理念のようなものが隠されているんですから油断は出来ません。それは政治目的に関する深遠な議論と関わってくる様ですが、要するに自民党はもう政治を国民のためにやるのは止めにした、ということです。今度から政治は国際的な企業の活動をしやすくするために行われます。

こう書くと、自民党は昔からそうだった、何を今更新し気に、なんて言われそうで、それはそれでごもっともではありますが、しかし、自民党だって、幾らかは国民に譲歩する形で現存の諸制度を作り上げて来たものです。彼等がヤリタイことをヤリタイようにヤレテ来たというわけでもないことは明らかです。そしてある意味、それは一国の政治の限界でもありました。

今ではTPPが強い味方です。「国際先端テスト」がTPPのためにある、というよりはTPPがグローバル企業とそのための諸国家政府の統一戦線となります。それはお互いに助け合い、さらに便利なことに敵を分断する手段でもあります。つまりある国と別の国の労働者・農民を対立させ、一つの国の中で労働者と農民を対立させ、労働者と労働者を対立させ、農民と農民を対立させ、奥様同士が公園で殺し合い、キッチン合理化の結果圧力鍋が爆発します。

「国際先端テスト」は自民党が今まで重ねて来た譲歩を「むだなく能率的」に、即ち一気に「トリモロス」ことになるでしょう。積年の大怨に流血の裁きを。ということはつまり、これは世界中から悪いものを集めて来るという事でもあります。そんな日本は世界中の屑を集めて作った押しも押されぬ最低国家となるわけですから、なるほど今の憲法じゃもったいないという気持ちも解らないわけではありません。何しろ憲法には

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。


などと言う余計な事が書いてありまして、国民の福利に反してグローバル企業に福利を享受させようとする「国際先端テスト」は、自民党とかのゴロツキ共がどっか隅の方でやるのであればともかく、政府がやるとすれば立派な憲法違反なのです。だからといって違憲にならないように「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員」が憲法を「尊重し擁護」しないで改憲しようというのも憲法違反なんですからどうしようもありませんが、改憲しようという人に限って憲法を知らない、てゆーか改憲の理由が「よく知らねーから」ってんですからやっぱり餓鬼は幾つになってもどうしようもありません。


posted by 珍風 at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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