2013年07月26日

日本全国ブラック特区

選挙で勝ったので早速ですが「労働特区」です。

特区で雇用規制緩和 政府検討、残業・解雇柔軟に


 政府は残業や解雇などの雇用条件を柔軟に設定できる規制緩和を、地域限定で検討する。安倍晋三首相の主導で決める国家戦略特区を活用し、成長産業への労働移動など人材の流動化を進め、日本経済の活力を高める。参院選前は世論の反発を招きかねない労働改革に踏み込まなかったが、特区に絞って抜本的に規制を改革する。

 国家戦略特区は地域を限って大胆な規制緩和や税制優遇に踏み切る仕組み。政府は8月末にも東京、大阪、愛知…

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安倍晋三

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2013年7月26日 日本経済新聞電子板


非常に人が悪いというか、「有料会員限定」ということなので、「無料」でしかも「会員」ではない僕のようなビンボー人には、ここまでの記事から全体を推量する権利が与えられております。そこで安倍晋三なるバカ殿の「特区」好きはつとに知られているところでありますが、この「労働特区」、そもそもは維新の会から出て来ています。

「西成特区」で仰天改革案 生活保護受給者時給400円で強制労働


 大阪市の橋下徹市長が活性化に向けた特区構想を打ち出した同市西成区で、生活保護受給者が働いて得た収入を行政側で積み立て、生活保護から抜ける自立時に一括返還して初期生活費に充ててもらう制度を導入するという改革案を、特区構想担当の市特別顧問、鈴木亘・学習院大教授(社会保障論)がまとめたことが7日、分かった。区民の4人に1人が生活保護受給者という状況の中、受給者の就労・自立を促し、市財政を圧迫する生活保護費の縮減にもつながる一石二鳥の案としており、鈴木氏は近く橋下市長に提示する。

 不況を背景に、生活保護受給者数は全国的にも過去最多の更新が続いており、厚生労働省も同様の制度創設の検討に入ったが、自治体の事務量増大などの課題がある。西成区で制度が導入されれば全国のモデルケースとなる可能性もあり、成否が注目される。

 現行の生活保護制度では、原則として受給者の就労所得などが増えるとその分保護費がカットされるため「労働意欲の向上につながらない」との指摘がある。また、受給者が自立すると、それまで不要だった公的医療の保険料や医療費の窓口負担などが必要となり、自立時の生活費を圧迫する実情もある。

 鈴木氏の案では、西成区の受給者に自立支援プログラムによる5年間の就労義務を課し、収入は区の福祉事務所で貯蓄。自立時に返却するとしている。就労報酬額は、3年程度は最低賃金(大阪府は時給786円)の適用除外として同400円程度とし、その後は最低賃金にすると仮定。企業側にも雇用義務を課し、若い労働者と雇用者のマッチングが図れるとともに、就労経験による技術習得にもつながるとしている。

2012年4月8日 MSN産経west


大阪市特別顧問で学習院大学教授の鈴木亘さんが恥知らずにも「生活保護受給者だから最低賃金適用除外」という「西成特区」構想を打ち出したのが昨年の4月です。さすがは安倍晋三にラブコールを送る維新の会のブレーンでありまして、「特区」だから何をしても良い、という解釈は「特区」=法の停止、という安倍晋三と腹の中は一緒です。

安倍晋三と腹の中が一緒では先が思いやられるわけですが、安倍さんと鈴木さんが枕を並べてくたばっても誰も困りません。この半年先には、今度は自民党からのレスポンスがありまして、

企業が世界で一番活動しやすい国をめざす 自民


 自民党は企業が世界で一番活動しやすい国をめざすとして、日本経済再生・競争力強化基本法の制定など、日本経済再生プランを5日までに発表した。

 産業投資立国と価値の創造拠点をめざし、今後5年間を集中改革期間と設定。総合特区制度を活用しながら、海外投資の促進と国内への還元、成長分野への集中的な政策投入などをあげる。

 また、科学技術を国家戦略として推進するとし、産業競争力会議を創設し、司令塔としての機能を強化するなどとしている。

2012年9月6日 財経新聞


「総合特区制度を活用しながら」「企業が世界で一番活動しやすい国をめざす」と言っています。もちろんそんなことは「企業」ではない普通の人々には迷惑千万な話なんですが、


金銭解雇ルールを再検討=特区での実現目指し−政府


 政府が、金銭の支払いによる解雇を認めるなどの雇用規制の緩和を検討することが26日、明らかになった。国家戦略特区ワーキンググループ(WG)が国家戦略特区の新たな検討課題に盛り込んだ。


 金銭で解雇を可能とするルールの導入は政府の規制改革会議が検討していたが、厚生労働省などが反対したことから、6月の答申では見送られた経緯がある。WGは、7月に行った有識者ヒアリングの結果を受けて、特区で地域を限定した上での導入を再検討することにした。一定の条件を満たした社員に法定労働時間の規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入も議論する。


 新たな検討課題は約130項目に上り、WGは8月末をめどに10項目程度に絞り込んだ上で実現を目指す。

2013年7月26日 時事


日経さんはあわてて「参院選前は世論の反発を招きかねない労働改革に踏み込まなかった」と書いてしまったんですが、そこには「厚生労働省などが反対した」という言い訳が用意されていたようなのです。大事なことを書き忘れたような気もしますし、あまり大事ではないので書かなかったような気もしますが、参院選の結果が出たら直ちに発表することになっており、実際にそうされたのがこの「労働特区」、いや、参院選の結果を尊重するならば「ブラック企業特区」構想なのでした。

この構想の恐るべき全体像は金次第で「有料会員」とならなければ伺い知ることが出来ませんが、気になるのが最後の「東京、大阪、愛知…」というところ、特に思わせぶりな「…」が巧妙であり、うっかりするとお金を出してしまいそうになるあたり、商売がうまいと言うべきでしょう。

しかしながらいくら相手が商売上手でもない袖は振れないビンボー人の悲しさ、朝の貴重な時間を、ビンボー人といっても朝の時間は貴重なんですが、そんな貴重な時間を割いて、電車の網棚なんかを探すことになります。そこで明らかになった、この「…」に隠された真実とは…

東京、大阪、愛知の三大都市圏などを特区に指定する。



全国に支店を持つ大企業の場合、特区内に本社があれば、地方の支店も適用対象にすることも検討する。

2013年7月26日 日本網棚新聞


ということですから、この「…」の意味するところは極めて重要です。「三大都市圏」がブラック企業特区なんですが、そこに本社を置くとブラック企業特区以外にところにある支店でも合法的にブラック企業になれる、ということです。ということはつまり、いやしくも名前の知れた企業はほぼ全部が「ブラック企業特区」の適用対象となるということになります。これはもはや「特区」を超えています。ほとんど労働法改定の裏口入学と言うことが出来るでしょう。

これは憲法96条改定と同様の発想であり、こんな事をする人は一体どういう風にして大学に入ったのかが偲ばれるというものですが、ろくに字も書けないしやっぱりな、このような一種の「ズル」によって「世論の反発」をかわそうと思っているつもりの様です。

そこでこの「特区」、てゆーか要するに全国的な労働法の停止とは何かと言うと、拾った新聞紙によれば

雇用分野ではまず、解雇規制を緩和する。企業が従業員に再就職支援金を支払えば解雇できる「事前型の金銭解決制度」の導入を検討する。…

有期雇用契約の期間を延長しやすくすることも検討する。同じ職場で5年を超えて働く契約社員らは、本人が希望すれば無期雇用に転換しなければならない。この規制を緩めて企業の人材確保に幅を持たせる。 

企業の従業員は原則、労働基準法などが定める法定労働時間(1日8時間、週40時間)のしばりがある。一定の条件を満たした社員には法定労働時間の規制を適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入も検討課題だ。

2013年7月26日 日本拾得新聞


このような、議論の多い、てゆーか労働者の生活の質を落とし健康を損ない生命を奪うばかりではなく社会を解体し経済破綻に導く「規制緩和」が、「特区」を利用して、選挙の争点とすることもなく、立法府の審議を経ることすらなく実質的には全国で行われようとしています。これは「特区」というよりは「無法」であり、これと比較可能なものとしては「セクハラ特区」とか「殺人特区」、あるいは「痴漢専用車両」などのフザケタ思いつき以外には考えることも出来ません。

しかしながら「痴漢専用車両」に自らすすで乗り込んだ女性の皆さん、これが参院選の、しかも直ちに与えられた結果です。大勝した自民党からの、ほとんど全ての労働者に贈られるプレゼントです。労働者諸君はこれを受け取るか、さもなければ大嫌いな「左翼」に相談するか、それがイヤなら相談先は下記から探して下さい。

http://www.e-sogi.com/list/list.html
posted by 珍風 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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