2008年03月23日

日本PTA110年(くらい)の歩み

PTA:東京・杉並の和田中が廃止 「地域本部」が支援、公立学校で初

 進学塾講師による有料受験対策「夜スペシャル」を実施している東京都杉並区立和田中(藤原和博校長)が来年度、PTAを廃止することが分かった。保護者は、地域住民らボランティアで構成している「地域本部」に参加し、「地域全体で生徒を支える仕組みにしたい」(藤原校長)という。公立学校のPTA廃止は全国でも例がなく、新たな論議が起きそうだ。【三木幸治】
 ◇「前例踏襲」敬遠され、「多様な人材確保を」
 同中は、リクルート出身の藤原校長が就任した03年に地域本部を設置した。会社を退職した地域住民や主婦、大学生らが学校の支援活動をしている。これまでに、▽放課後に図書室を利用できるようにする自主管理制度▽土曜日に生徒が教室で自習する「土曜寺子屋(ドテラ)」のサポート▽週3〜4回、塾講師が有料で受験対策をする「夜スペシャル」の運営−−などを手がけている。
 一方、PTAは、保護者を中心に、▽登下校する生徒の安全確保のための見守り▽運動会など行事の手伝い▽保護者の問題意識向上のための研修−−などを実施してきた。PTA活動に参加する保護者が減っているため、その啓発に苦労しているという。
 藤原校長は「能力があり、学校支援への意欲を持っている保護者はいるが、前例踏襲型の『PTA』を敬遠する人は多い。地域本部に統合することで、多様な人材を受け入れたい」と話す。PTAの活動で必要なものは地域本部で行う。また、PTA活動は無償だが、地域本部は交通費など謝礼を出すことも検討しているという。
 同中は5月にもPTA総会に諮り、廃止を正式決定する。全国の公立小中学校が加盟している日本PTA全国協議会(赤田英博会長)からも脱退する。
 文部科学省は来年度から4年をかけ、和田中をモデルに広がっている地域本部を全国の中学校に作る方針で、PTA廃止が他校に影響を与える可能性がある。同省社会教育課は「地域本部と保護者が互いに連携を取り、学校支援活動が活発になればいいのではないか」と話している。
 一方、同協議会の赤田会長は「PTAは保護者の教育という大きな役割があり、一方、地域本部は教員ではカバーできない面を補う別の役割がある。PTA廃止が全国に広がるとは思えない」と話している。
 ◇やっと新しい試み−−ノンフィクション作家・吉永みち子さんの話
 現在のPTAは形骸(けいがい)化している。本来、学校を支援したり、親と教師をつなぐものだが、教育現場の荒廃や役員選出の難航ぶりから、機能していないことが分かる。PTA活動を見直し、新しい形を模索する試みがやっと生まれた印象だ。消えた「地域」を取り戻すきっかけになる可能性もある。
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 ■ことば
 ◇PTA
 「Parent Teacher Association」の略で、直訳は「父母と教師の会」。19世紀末に米国の学校で始まり、日本では第二次大戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の指導で全国の学校に作られた。任意団体で、子供の教育環境を良くするために保護者と教師が連携して活動している。

2008年3月23日 毎日新聞 


アメリカで、稲田朋美さんの先輩である「市民ケーン」ことウィリアム・ランドルフ・ハーストの母親で上院議員夫人にして教師であるフィービー・アパーソン・ハーストが全米母親会議を開催したのが1897年ですが、その翌々年、日本の東京には最初の「学校後援会」が作られました。これを始めとして、全国の学校に「後援会」「奨学会」「父兄会」「父母会」「母婦会」「母の会」が結成されましたが、これらの団体の目的は公費の教育支出の不足を生徒の家庭からの集金で補うことでした。当時の日本政府は「臥薪嘗胆」のかけ声のもとで軍拡を進めていましたので、教育に使う金などなかったのです。

それ以降、約半世紀にわたって日本はほぼ一貫して軍備拡張と海外侵略政策をとってきた関係で、「学校後援会」は順調な発展を遂げてきましたが、1945年の敗戦に伴い、アメリカ軍によってその名を洋風に「PTA」と改めたものの、戦後の国家財政逼迫のなかで、「学校後援会」の役割はますます大きくなってゆくのでした。

その後は教育委員選挙における日教組からの候補への対抗として、アメリカの対日工作の一環としてPTAからの候補を立てたり、教育2法案反対闘争、勤務評定闘争などにおいてあくまで労働者の敵として親米保守の立場を貫く一方、各レベルの連合体の教育行政との緊密な連絡による政府機関化をはかるとともに、地域ボスの政界進出への架け橋としても、戦後保守勢力の広範な基盤として大きな役割を果たして来ました。

全国組織としての日本PTA全国協議会は臨時教育審議会等において常に政府の政策に沿った「提言」を行ない、平成7年からは中央教育審議会に委員を送っております。またメディア規制を中心とした思想統制を積極的に推進していることは夙に知られており、正に地域に密着した草の根のファシスト組織として日本で最大の規模を誇ります。

しかしながら従来、学校PTA会長から自治体議会などへの進出を計画する地域ボスの方々のうち、会長在任当時に当選を果たせなかった例では、子弟の卒業と共にその勢力基盤を大きく削がれるうらみがありました。また「右翼偏向した特殊イデオロギー集団」と看做されて反日的な、つまり大半の保護者の積極的な参加がみられず、「形骸化」の批判を受けることも度々であります。また、在校生の保護者を中心としている関係から、それ以外の一般地域住民への抑えはほとんど不可能である点も「PTA不要論」の隠れたモチーフでありました。

来年度から文部省は「地域本部」を立ち上げ、ともするとPTAは発展的解消を遂げるのではないかという観測も生じますが、任意参加団体として出発するこの「地域本部」が、いずれは地域住民一人一人へのこまめな監視と教育を担う組織に発展してゆくことを考えると、既に全員強制参加体制を確立しているPTAは、むしろ「地域本部」の中核として今後も重要な役割を果たしてゆくであろうことを、少なくとも赤田さんは期待してやまないんだろうとは思いますが、さんざん「教育改革」に協力しておいて、あとになって「最も重要な教育改革の基盤整備が、直接影響のある子どもたちや教師、我々保護者を置き去りにして短期間で推し進められているように感じられます」などどブツブツ言うような間抜けなお人好しに生き残る道はあるんでしょうか。


posted by 珍風 at 16:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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