2008年04月12日

調子のよい鍛冶屋

「靖国」出演の刀匠 「出演場面と名前を映画から削って」と明言

 映画「靖国 YASUKUNI」に登場する高知市の刀匠、刈谷直治さん(90)が、作品から自分の映像を削除するよう求めている問題で、刈谷さんが11日、産経新聞の取材に応じ、「上映を了承したとは一言も言っていない。出演場面と名前を映画から削ってほしい」と話した。
 刈谷さんは平成17年秋に、李纓(リ・イン)監督から、靖国刀の最後の刀匠のドキュメンタリーとして撮影したいと申し入れを受けて了承。作業場での撮影に応じた。
 昨年春ごろ、李監督が刈谷さんの自宅を訪れ、試写を実施。その結果、夫人(83)が「初めの趣旨と(内容が)全然違うので、もう1回全部やり直して」と監督に伝えた。
 「監督は“近いうちに違うもの(完成品)をもってくる”と言ったがその後は、なしのつぶて。今年の春に監督らが来たが(完成品は)持ってこんかった。利用された感じがする」と刈谷さんは話している。
 一方、10日の会見で李監督から「(刈谷さんを)変心させた」と名指しされた自民党の有村治子参院議員は11日、産経新聞社の取材に対し「国会で質問するため、伝聞ではなく直接本人の話を聞こうと、電話した。上映うんぬんについて一度も言ったことはなく、変心させる意図も働きかけも一切ない」と反論した。刈谷さんは、この電話について「出演場面を削除してほしいというようなことを(有村議員サイドに)伝えた」としている。

2008年4月11日 産経ニュース


これについては4月2日には一応判断を保留しておきました。しかしながらよく考えてみると、これはやはり有村が藤村新一さんの「神の手」をしのぐ「女神の手」でもって「発掘」したのではないかという気がします。「刈谷さんがそういう気持ちである」ということを有村は「ある人」からの「伝聞」で以前から知っていたとのことですが、直接聞いたのは3月の25日だそうです。有村発言では

映画の中でもっとも多くの時間を割かれ登場される刈谷直治さんは、靖国刀を造っていた現役最後の刀匠でございまして、現在90歳のご高齢です。「美術品として純粋に靖国刀匠、匠のドキュメンタリーを撮りたい」という若い中国人の青年の申し出に、刀をつくる自らの映像を撮影することは承諾され、「これが私の現役最後の仕事になるなあ」、と覚悟を決めて協力をされました。
 映画パンフレットによると「キャスト」というふうに刈谷さん書かれていますが、この刈谷さんは実際には本映画でキャストになることをまったく知らされておらず、このことを承諾されていないばかりか、完成品の映画を見る機会すら与えられていません。一時、進行過程での映像をご覧になって、当時政治問題化していた小泉総理の参拝映像や終戦記念日の靖国境内の政治的喧噪の映像とまぜ合わせて刈谷さんの刀をつくる映像が交錯されていることに違和感を覚え、ここからです、刈谷夫妻は不安と異論を唱えられました。すると刈谷さんの自宅に赴いた李纓監督と、助監督のナカムラさんは、「この映画には日本の助成金が出ているし、助成金を受けているというそのマークもついているから、大丈夫ですよ」と夫婦をなだめていらっしゃいます。助成金が公的お墨付きとして使われ、刈谷さん本人がキャストに仕立て上げられる、本人は嫌がっているんです。キャストに仕立て上げられることを承諾するよう、助成金のマークが入っているから大丈夫ですよ、日本政府も助成しているんですよ、という説得の材料になってしまっています。このような経過から最終作品は、刈谷氏の善意を踏みにじっており、刈谷さん夫妻はこの映画において刈谷氏の肖像が入ることをまったく承服しておらず、作品から刈谷さんの映像を一切外して欲しい、と希望をされています。これは私自身が一昨日、平成20年3月25日、刈谷さん本人と確認をとりました。


ということで、最初は「キャスト」に刈谷さんの名前が入っているのが問題だったらしいものが、ついには刈谷さんが映っているところを全部削除してくれという話しになったようです。もし以前からからそういう意思表示があったのであれば、刈谷さんと監督の間で刈谷さんの名前をキャストから外すか、さもなければ刈谷さんの映像を削除するかという話し合いが行なわれると思います。この場合、映像を削除しちゃうと作品として成り立たなくなりますので、刈谷さんの名前をキャストから外す方向で調整が行なわれていたはずです。現在そのようになっていないところを見ると、刈谷さんはそういう意思表示をしていなかったのではないでしょうか。

李纓監督と刈谷さんの言い分は真っ向から対立しているのですが、少なくともこの話しは有村が平成20年3月27日に世界で初めて明らかにしたのであり、有村の他に靖国神社の関係者や映画関係者でこの話しを聞いたという人は出て来ません。「伝聞」というのも確証のある話しではありません。もしかすると刈谷さんの「要求」は平成20年3月25日に発生したものなのかもしれません。まさに「女神の手」です。有村発言を読む限り、刈谷さんに何らかの要求があったとしても、それは「キャストから外してくれ」ということであったのであり「出演場面を削除してほしいというようなことを(誰かに)伝えた」のは25日が初めてであると思われます。

刈谷さんは靖国神社に刀を納品するメーカーですから、大変な立場であることは理解出来ます。てゆうか靖国神社自体も呼応して同じような要求を出して来ています。

映画「靖国」:靖国神社が一部映像の削除求める

 ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督)の上映を中止する映画館が相次いだ問題で、靖国神社(東京都千代田区)が事実を誤認させる映像があるなどとして、李監督と制作会社「龍影」、配給元の「アルゴ・ピクチャーズ」に対し、一部映像の削除を求める通知をしたことが分かった。
 靖国神社が11日付でホームページに公表した。「境内における撮影許可手続が遵守(じゅんしゅ)されていないだけでなく、その内容についても事実を誤認させるような映像等が含まれており」と理由を記載。李監督らに「質問と問題映像の削除等の適切な対応を求める通知を行いました」としている。
 毎日新聞の取材に靖国神社は「取材は14日以降にファクスで受ける」と話した。

2008年4月12日 毎日新聞


名誉毀損で訴えられますから、この二つの動きの間には一切全く何の繋がりも感じられませんし、「つなぐ野球」って何のことなのかも僕は知りません。しかし有村が「上映うんぬんについて一度も言ったことはなく」と言い、稲田が「映画の公開についてなんら問題視する意図はない」と言うのももっともなことです。連中の真意は明らかになったわけです。助成金を取り上げたり、上映を阻止したり、一般公開を妨害することが問題なのではなかったのです。彼らは「靖国 YASUKUNI」という映画そのものを破壊しようとしています。もう一切誰も観ることが出来ないようにこの世から消してしまおうとしているのです。もはやいかなる言い訳も通用しません。発表前に公権力の人たちで見て、その人たちだけで判断して、他の人たちに見せないように葬り去ってしまう。これを普通は「検閲」と言っておりまして、憲法で禁止されているところであることを、まあ、まともな弁護士さんなら知っているはずですから、聞きにいった方がいいとおもいますが。

もっとも厳密な「検閲」概念に当たるかどうかはちょっとアレですので、おそらくこれは稲田お得意の、あまり得意でもないようですが、一応専門ではあるようですから、法廷に持ち込むぞ、という武富士やオリコンのような恫喝手法で来るのではないでしょうか。またもや恫喝、いつだって恫喝、食前食後に恫喝するなんてどうかしているのが「靖国神社賛成派」の人々です。アルゴ・ピクチャーズは何を思ったかとりあえず刈谷さんの地元高知での配給を延期してしまいましたが、卑劣な恫喝に屈しないでほしいものです。そうでなければ映画「靖国 YASUKUNI」は靖国神社の最も恥ずべき歴史の一つとなるでしょう。


posted by 珍風 at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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