2008年05月20日

私は如何にして娘さんに惚れるのを止めて山を愛するようになったか

『週刊朝日』のインタビューに答えた「只友登美男」さんによると、

昔は成人式が済んで、21歳で徴兵検査を受けて、嫁をもらったんじゃ。それで、ワシも22歳の時に(事件のあった)隣の地区から嫁をもろうた


といいます。こう言ってはあるいは失礼に当たるかもしれませんが、極めて単純極まる人生です。毎年イベントをこなしていけばオッケーです。といってこれは何にも悪いことでもなんでもありません。真理は単純にして美しい。人生もまた単純であり、それ故に美しいのです。まあ、そう上手くいけばの話しですが。

とにかく「普通は」そういうことになっているのであり、「登美男」さんもごく「当たり前」のようにそのようにしたようです。このような「当たり前」を真っ当にやっていられる人は良いのですが、世の中にはそうもいかない人もいたわけです。都井睦雄君などは徴兵検査に落ちたものですから、こういう「美しい」人生を送る見込みは立たなくなってしまいました。しかしアッチの方は立つのですからそれはそれで困ったことです。

こういう「通過儀礼」のようなものがあると、それを通らなかった人はどうなるかというと、やはり「半人前」の取り扱いを受けることになるのです。たとえば結婚出来ないとかそういうことがあるんですが、要するに「劣等」の印を一生背負って行くことになります。よほど悟った人でなければ、普通でもそのような状態は耐え難いものであると思われますが、都井君のように餓鬼の頃になまじ優秀だったりすると、そのような先の見通しは尚更受け入れ難いものともなるでしょう。

村にはこんな「半人前」の先輩がいます。例えば「馬鹿に近いお人よし」と呼ばれていた樵の「岡本和夫」さんなどはその例です。この場合、「馬鹿」は「お人よし」を修飾する語でありますが、実際には「お人よし」の方が省略されがちなものです。こういう場合に、その人の奥さんが浮気のようなことをするのは普通のことですが、そのせいかどうか、「岡本」さんは4回も離婚しています。そして5人目の奥さんの「みよ」さんも、「岡本」さんの「馬鹿」のせいでビンボーだったこともあり金持ちである「寺井倉一」さんとの関係があり、また都井君とも関係があったものです。

「岡本」さんが「みよ」と「寺井倉一」さんとの関係を知っていたのかどうか判りませんが、知ったところで「岡本」さんにとって「寺井倉一」さんは抵抗し難い相手であったでしょう。しかし「岡本」さんは「みよ」と都井君との関係については大いに問題にしました。そこで都井君は土地の習慣により酒一升を買い求めて詫びに行きましたが、その際に炭焼兼猟師の「今田勇一」さんも一緒に行ってもらいました。このときは酒ばかりではなく自分が仕留めたという「兎の肉」も携えて行ったので「岡本」さんも喜び、みんなで宴会となったのですが、この「兎の肉」が実は都井君が飼っていた犬の肉だったというのは悪い冗談です。

この「今田勇一」という人も「お人よし」のようで、犬の肉を喰わされたばかりではなく、都井君が使う火薬を彼の狩猟免許で買わされています。これは違反なのですが、「今田」さんは知らなかったようで、都井君に利用される形になったわけです。

都井君はこんな風に「馬鹿」な人たちをハメたりしていたようです。都井君としては内心このような人たちを多いに蔑視していたようですが、都井君自身も彼らに非常に近いところにいたのに気がついていたのでしょうか。あたかも「岡本」さんは樵、「今田」さんは炭焼兼猟師と、農村の中では山に追い上げられるように生活していた人たちだったのですが、都井君も山で密かに射撃の練習をしていたのでした。そして都井君がついに最後を迎えたのも山の中に他なりません。

森深い山は「馬鹿」な「へのけ者」が恥辱に塗れた身を隠すには格好の場所です。それはまた他所との境界である「峠」であり、村からの出口でもあったのです。同級生が一斉に徴兵検査を受け、だいたい同時期に結婚する中で、そのようなパタンから逸れた人は「山」に向かうことになるでしょう。しかし都井君はそもそもそれ以前から、もっと若い頃から「出口」を探し続けていたようです。

それは「岡山の中学への進学」であったかもしれませんし、村の女たちの体に求める「大阪」であったのかもしれません。しかし何よりも自宅の屋根裏が村からの「出口」だったようです。そこで彼は「小説」を書いていたのです。その「小説」自体が既に発表されたものの翻案でしたが、それだけに尚更それは直接に外部とつながっていたのではなかったか。「オリジナリティ」などはあまり問題ではないのでした。彼はそのようにして外部と通信していて、例えば『雄図海王丸』の登場人物の1人が二・二六事件の青年将校のうち岡山出身の野中大尉と似ていると言われたこともあります。彼がそれを書いていた屋根裏部屋、村の真ん中にある奥まった暗いところが反転して外への通路となっていました。

これは「引きこもり」のように見えるのですが、多分実際のところ「引きこもり」に他ならないようです。そしてうまく「引きこもり」を続けることが出来れば、例えば彼が姉に漏らしたように「小説家」になりおおせていれば、もしかすると破綻は生じなかったのかもしれません。しかし彼が書き続けながら、どうやら「小説家」というのは無理のようだ、と気がついた時、そして自分と同級生の「只友」さんが「良子」さんと結婚したときに、彼の前途には「岡本」さんのように周囲から馬鹿にされながら生きながらえるという惨めな未来しか残されていないことがはっきりと判ったのではないか。

22歳で結婚の見込みがないということがかなり重大なことだと考えられたに違いありません。何だか知りませんが結婚しないと「一人前」とみなされないようです。一方で「一人前」でなければ「結婚」もままならないという事情もあるのですが、いずれにしても男性が「社会」の中で「普通の」位置を占めて生活して行くには、「女性」というものの存在が大きなウェイトを、いくら痩せた女性でも大きなウェイトを占めるように見えます。実際には女性にしても結婚相手を好きなように選択出来るわけではありませんが、少なくとも誰かを「嫌う」ことは彼女たちに許された数少ない自由の一つでもあったでしょう。その一方で嫌われたりした男性の方は、「正規の」ルートで生きて行けない、生きようとしない者を蔑み、惨めにする「社会=女性」という抑圧装置があるように見えて来ます。このとき、彼は自分が「社会=女性の敵」であったことに気がつくでしょう。

山男よく聞けよ 娘さんにゃ惚れるなよ
娘ごころはよ 山の天気よ


posted by 珍風 at 23:03| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
もはや知らない人がいないんじゃなかってほどの大人気。
現役Gカップ女子大生谷村奈南(たにむらなな)。

90cmを超えるGカップを、プルンプルン揺らしながら
終始腰を振りまくる新曲【jungle dance】のPVが未だに話題騒然。
Posted by ◆【着替え】国民的Gカップおつぱ い 谷村奈南(たにむらなな)【画像】【動画】◆ at 2008年05月22日 14:19
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