2008年05月30日

大阪「笑われ」芸人の痴呆自治

過去最悪の1校1.74人 経済的理由の私立高中退者

 経済的な理由で二〇〇七年度中に私立高校を中退した生徒は、一校当たり一・七四人に上ることが三十日、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査で分かった。〇六年度の〇・九七人から大幅に増え、一九九八年度の調査開始以来、最悪の数字となった。
 全国私教連は「経済格差が進んでいるほか、学費を滞納する生徒に対して学校側が猶予を与えずに退学させる傾向が強まっている」として学費負担の軽減や私学助成の拡充を求めている。
 調査には二十八都道府県の私立高校二百三十四校(生徒総数計十九万五千二百六十四人)が回答した。
 調査によると、私立高校二百三十四校で、生徒の0・21%に当たる四百七人が中退した。都道府県別で一校当たりの中退者が多かったのは熊本(七・六〇人)、埼玉(五・〇〇人)など。
 また、〇七年度末時点で三カ月以上学費を滞納している生徒は、千八百五人(一校当たり七・七一人)に上り、このうち六カ月以上滞納している生徒が七百十人だった。
 調査では、中退の理由として、保護者の失業や両親の離婚による収入減、アルバイトで家計を助けるため―といった回答が多く寄せられた。

2008年5月30日 中国新聞


高校生の餓鬼がいるくらいの親父が失業したら、もう収入は元には戻りません。半分以下にはなるんじゃないか。そうなったら私立高校の学費は払えないでしょう。どのくらい滞納すると学校を追い出されるのか明らかではありませんが、6ヶ月以上滞納している710人の諸君の学園生活は風前の灯で、1校あたりおよそ3人の割合になります。3ヶ月以上滞納者もまだ時間に余裕がありますが、保護者の経済状況が急に好転する可能性は極めて低いのでこれも退学一歩手前です。これが1校あたり7.71人。既に退学した人も含めて、経済的理由による退学者及びその予備軍が1校あたり10人存在することになります。

一方そのころ、大阪で知事をやっている橋下徹さんは例によって下手なボケをかましてご機嫌を伺っております。

橋下知事「所得に応じた学校を選ぶのは当然」 私学授業料削減の見直し要望で

 大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)は30日、財政再建プログラム試案(PT案)をめぐる担当部局との議論で、私立高校などの授業料軽減助成削減について、世帯収入430万円以下への補助額を手厚くするなど一部修正する案を示した。年間削減額は約8億9400万円で当初案と変わらず、私立学校を所管する生活文化部は「保護者らの同意は得られないだろう」と、さらなる見直しを要望したが、橋下知事は「義務教育でない以上、所得に応じた学校を選ぶのは当然ではないか」と持論を展開した。
 再提示案では、世帯年収288万円以下の生徒への年間助成額を、当初案の18万円から現行と同じ25万円に増額。430万円以下の世帯についても16万円から18万円(現行比7万円減)に変更した。生活保護世帯は当初案と同様、現行と同じ35万円とした。年間削減額は当初案と同じ約8億9400万円となる。
    
 小学1、2年生対象の35人学級制の存廃をめぐる府教委との議論では、橋下知事は「1クラスが36人になったら、18人の2クラスに分けるというのは疑問。集団生活のルールを学ぶ最低限の人数は20人くらいではないか」と主張。35人制を廃止すべきとする従来の意向を改めて強調した。

2008年5月30日 産経ニュース


この人のアタマの中はどうなっているのか、「18人」てのは「20人くらい」ではないか。「くらい」というのがどの「くらい」の誤差を許容するものなのか、はなはだ興味深いところですが、1割「くらい」でガタガタいう橋本さんの「持論」の程度というものは1割減では済まされないような惨状を呈しています。なにしろ場合によっては200人でも大丈夫だというような、いきなり10倍というフランス人も真っ青の数値感覚(現東京都知事による)ですから「保護者」でも誰でも同意する人はいないのかも知れません。

その他にも「行政に携わったり、財界の人だったり、そういう層は、ちょっとインテリぶってオーケストラだとか美術だとかなんとか言うが、お笑いの方が根づいているというのが素朴な感覚」だから大阪センチュリー交響楽団への補助金を廃止しようというのですから、現代美術をさんざん馬鹿にした一方で自分の「文学碑」にフランスで立派に数を勘定して帰ってきた岡本太郎原作の太陽をひっつけた東京の石原さんは完敗です。いくら何でも自分に票を入れてくれた人たちをここまでバカにはしないでしょう。少なくとも橋下さんのアタマに限っては「オーケストラだとか美術だとか」よりも「お笑いの方が根づいている」ことは確かなようです。もっとも「笑かす」のと「笑われる」のは少し違うようですが。

「行政に携わっ」ているそこらの木っ端役人どもが「インテリぶって」いるかどうかはともかく、こと教育に関しては日本は顔を上げて外を歩けないような状態にあることくらい知っていても府知事として損にはならないでしょう。日本は「国際人権規約」A規約(社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約))第13条第2項の(b)(c)即ち中高等教育の無償化については留保したままであります。

1 この規約の締約国は、教育についてのすべての者の権利を認める。締約国は、教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。更に、締約国は、教育が、すべての者に対し、自由な社会に効果的に参加すること、諸国民の間及び人種的、種族的又は宗教的集団の間の理解、寛容及び友好を促進すること並びに平和の維持のための国際連合の活動を助長することを可能にすべきことに同意する。
2 この規約の締約国は、1の権利の完全な実現を達成するため、次のことを認める。
(a) 初等教育は、義務的なものとし、すべての者に対して無償のものとすること。
(b) 種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、一般的に利用可能であり、かつ、すべての者に対して機会が与えられるものとすること。
(c) 高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。
(d) 基礎教育は、初等教育を受けなかった者又はその全課程を修了しなかった者のため、できる限り奨励され又は強化されること。
(e) すべての段階にわたる学校制度の発展を積極的に追求し、適当な奨学金制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善すること。
3 この規約の締約国は、父母及び場合により法定保護者が、公の機関によって設置される学校以外の学校であって国によって定められ又は承認される最低限度の教育上の基準に適合するものを児童のために選択する自由並びに自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する。
4 この条のいかなる規定も、個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし、常に、1に定める原則が遵守されること及び当該教育機関において行なわれる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。


「義務教育でない以上、所得に応じた学校を選ぶのは当然ではないか」というような「持論」は、そこらのゴロツキ三百代言がちょっと「過激」なことを言って周りを「笑かす」にはお似合いですが、橋下さんはあれで一応大阪府知事なもんですから、世界中から「笑われる」こと請け合いです。大阪府民も笑われてしまいます。大阪府以外で大阪弁を喋っていたりしたらどんな目に遭うかわかりません。

まあ、多くの保護者の同意を得られる程度ということであれば、「アタマの程度に応じた学校を選ぶのは当然」という「くらい」にしておいた方がいいでしょう。それでも上記の(b)では中等教育については高等教育についてはいわれている「能力に応じ」という文言が存在しないことに注意しなければなりません。そのうえで「すべての者に対して機会が与えられるものとすること」ということになっていますから、人権規約では中等教育は義務教育に準ずるものと位置付けられているようです。少なくとも学業成績が思わしくないとか、経済状況が悪いとかで教育を受けられないことは「当然」ではありません。

「教育再生懇談会」とやらも、ケータイがどーだとか下らないことを言っている暇があったら、どうやら「初等教育を受けなかった」か「又はその全課程を修了しなかった」としか思えない橋下さんに対する「基礎教育」を強化した方がよさそうです。橋下さんもとっとと「自分のアタマの程度に応じた職業を選ぶ」のが「当然」でしょう。


posted by 珍風 at 21:49| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ハシゲ。
Excerpt: 橋下知事「所得に応じた学校を選ぶのは当然」私学授業料削減の見直し要望で えーっと
Weblog: 慢性疲労症候群日記
Tracked: 2008-05-31 02:27
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