2008年06月04日

広川町民に敬礼!

自販機にタスポつり下げ、売り上げ増狙い…警察指導で撤去

 福岡県広川町でコンビニエンスストアを経営する業者が、たばこを自動販売機で購入する際に成人認証を行うICカード「タスポ」を自販機に備え付け、自由にたばこが買えるようにしていたことが分かった。
 業者は警察から指導を受け、3日にカードを撤去した。
 福岡県では5月からタスポが導入された。業者は5月中旬、コンビニ店から約400メートル離れた国道3号沿いの自販機1台に家族名義のカードを取り付け、約2週間つり下げた。「カードを下げた自販機がある」との情報が寄せられた同署は5月27日に、業者を注意していた。
 業者は「自販機の売り上げが8割落ち、売り上げを増やしたかった面はある。利用者にカードを申し込んでもらっても届くまで約2週間かかり、お客さんに申し訳ないので、5月中はカードを添えることにした」と話している。
 タスポを発行する日本たばこ協会はカードの譲渡と貸与を禁じており、「未成年者の喫煙防止の趣旨を理解しておらず、制度の信頼を損なう行為」としている。
 同協会によると、福島県でも同様のケースが2件あったが、指摘を受けて撤去済みという。
 自販機には「未成年の方はご使用になれません」と書いた紙が張ってあったため、八女署では、未成年者喫煙禁止法違反などには問えないと判断した。

2008年6月4日 読売新聞


「未成年者喫煙禁止法違反などには問えない」のだとすれば「警察の指導」はどのような根拠によるものなのか、ちっともわかりません。カードの譲渡・貸与の禁止は「日本たばこ協会」とカード利用者との間の私的な契約であって、警察の介入する余地はないものと思われます。なるほど日本たばこ協会はたばこメーカー三社によって構成される最大かつ独占的な力を持った組織ではありますが、役所でもなんでもなく、単に民間の一法人にすぎません。

たばこ自販機に「タスポ」をぶら下げておく。これは誰でも思いつくことでしょう。なにしろこのシステムではタバコを買えるのは「成人」ではなくて「タスポ」を持ってきた人なのであり、更には「タスポ」さえ所持していれば猿でも象でもいいわけです。大型犬でも可能だと思われます。したがってそこに「タスポ」さえあれば誰でも購入が可能であるということになります。

カードというものは取得者の身体と切り離されていることから「盗難」によって不正に行使されることがあるのはクレジットカードにおいて頻繁に発生しているので知らない人はいないでしょう。また、「タスポ」の機能がたばこの購入資格の認定に限定されていることから「貸与」や「譲渡」によって取得者は自動販売機を利用出来なくなるという以上のリスクを負いませんから、未成年者の手に「タスポ」が渡ることによって「制度」が崩壊する可能性は当初から指摘されていたことです。この事例では不特定多数を対象にはしていますが、「貸与」の一形式だと考えられます。ですから今更「制度の信頼を損なう」と言われても、ねえ。

そういえば2日には同じ福岡県の福岡市で自分の息子に「タスポ」を「貸与」していた母親に対して「未成年者喫煙禁止法違反容疑」で書類送検という見せしめ的な重い処分が下されました。「タスポ」導入当初はこのようなことが続くと思われますので、くれぐれも「貸与」などはしないように。この例では少年の所持品の中に「タスポ」があったのが運の尽きだったようです。「タスポ」はタバコを買う時には必要ですが、普段から持っている必要はないはずです。

ところで自販機に「タスポ」をぶら下げとく時に気になる問題は「ぶら下げておいたタスポが盗まれるのではないか」という点なのですが、この例では実に2週間にわたって、カードが盗まれることもなく、地域の人々のために役立っていたようです。僕としては自分個人の小さな利益よりも、会ったこともないような多くの人々の利便性を選択した福岡県八女郡広川町の人々に敬意を払いたいと思います。今回は「情報提供者」が出現しましたが、仮にそうでなければこの「タスポ」は皆さんの善意の証しとしていつまでもぶら下がっていたことでしょう。

ところで日本たばこ協会としては「タスポ」の「貸与」は禁止していますが、「タスポ」取得者による「代理購入」は禁止してはいないようです。例えば、たばこ屋さんの自販機の前で「タスポ」を持ってない人がウロウロしていたら、たばこ屋さんは「タスポ」の申し込みを推奨すると共に当座の対応として自分の「タスポ」を使ってその人の代わりにたばこを購入することが出来ます。これは飲食店などに設置してある自販機でも同様で、飲食店の店員が自分の「タスポ」を使って客の代わりにたばこを買って良いのです。

これは実際問題として「貸与」に限りなく近い、というかなじみの店でマスターの「タスポ」を「ちょっと借りる」ような形になると思いますが、これはもちろん相手が成人であることを「視認」出来るのですから「未成年者の喫煙防止の趣旨」としては全く問題ありません。しかしそうであるならば成人間の「タスポ」の「貸与」や「譲渡」も「未成年者の喫煙防止の趣旨」からみて特に問題があるとは考えられません。日本たばこ協会が対未成年者に限らず一般的に「タスポ」の「貸与」や「譲渡」を禁止し、顔写真までつけているのは何故なのか、「制度の信頼」は損なわれるばかりですな。


posted by 珍風 at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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