2008年06月08日

姥捨て山の758段の石段を駆けのぼれ

世帯は一家、親類は兄弟

医師を中心とした禁煙キャンペーンのあり方
喫煙は医療費をふやします…

広島市安佐市民病院 名誉院長 岩森  茂

 これは河北新報 '00年2月13日に載った記事である。東北大公衆衛生学辻一郎助教授らの研究グループが宮城県大崎地方で実施した大規模調査から導かれた結果を主題とした、生活習慣のあり方が医療費に大きく影響することを本格的に調べた報告は殆どないので、この報告は貴重なデーターであると私は捉えている。さて、辻助教授らはH6年10月〜12月大崎地方1市13町の国民健康保険加入者(40〜79才)約55,000人を対象に生活習慣をアンケートで調べ有効回答を得たとのこと。その内容は病気の既往歴、家族・本人の健康状態、運動習慣、33種の食材の摂取頻度、喫煙、飲酒の有無、健診受診歴、心身活動能力レベルなど約150項目からなり、回答者についてH7年1月から医療費を23ケ月間迄跡調査している。
 その結果喫煙者1人あたり平均医療費(23ケ月合計)52万2千円で非喫煙者49万2千円より3万円(6.1%)高く、1日当たりの喫煙本数が多い程医療費は増加した。序で乍ら肥満者は適正体重の人に比べ2万7千円多かったという。身体運動でも歩行時間の多い程医療費は下がる傾向と示した。喫煙と肥満、運動不足と医療費を関連させてみると、毎日1時間以上歩行、適正体重レベルの非喫煙者は医療費が44万3千円で、逆に肥満者で運動不足気味の喫煙者は59万7千円と医療費は34.5%も増加していることが判った。研究グループは高齢者になって健康で長生きする生活のあり方を見つけるための継続調査を行っているとのことである。介護保険のあり方及び今後はどうなるかについて大いに論議されている昨今、やはり肥満、運動不足、喫煙などの生活悪習慣是正には厚生省を始め行政が速かに実施すべき、重要な課題になっているが、本年発表された「健康日本21」に描かれたビジョンが如何なる形で末端に徹底して行くのかそのシステムが確立されるのかを一日千秋の思いで待つ者の1人である。

http://www.hiroshima.med.or.jp/kenkojoho/smoking/335.htm


そういう事ですから医療費の増加、特に公的医療保険における支出の増加をもたらす喫煙について、「非喫煙者は余計な負担を強いられている」というようなことを言いだす人も出てくるわけです。そこで例えば喫煙者の保険料を上げるとか、喫煙者から被保険者資格を剥奪するとか、喫煙者の医療費の自己負担割合を増やすとか、様々なグッドなアイデアが出てくるでしょう。

喫煙者などのハイ・リスク集団を何らかの方法で排除することによって医療費支出を抑制する事が出来るわけですが、実際にはまず「高齢者」というハイ・リスク集団の排除が先行したことはご存知の通りです。「姥捨て山だ」とか怒る人もいるようですが、要は早いか遅いかという違いでしかありません。疾病リスクの高さが喫煙などの習慣によるのもであれ、年齢によるものであれ、先天的な体質によるものであれ、「健康日本」に相応しくないことに変わりはないのです。問題はリスクの評価の確定であって、その点で喫煙者よりも高齢者の方がより明確にハイ・リスク集団として明確だったというわけです。

今後とも医学者の献身的な研究の進展によって様々なハイ・リスク集団が特定され、排除されていくでしょう。高齢者の次がおそらく「肥満者」であることははっきりしています。喫煙者はその次くらいではないかと思われます。下手をすると「痩せ過ぎ」の人もその次くらいにはアブナイかも知れませんが、運動の嫌いな人、というか効率的に運動の出来ない人、つまり「運動神経の鈍い」人も可能性があります。この辺からだんだんと「遺伝子」レベルの話しになってきますが、そのようなある種の能力の有無から糖尿病や循環器疾病、癌などの疾病にかかり易い遺伝形質、すぐ風邪をひく人、自殺し易い人、しかも失敗しそうな人、母親を背負って階段をのぼるなどという大怪我をするようなハメに陥りがちな行動に走り易い傾向を持つ人など、いろいろなハイ・リスク集団が定義され、「発見」され、排除されていくでしょう。

その結果公的保険加入者の疾病リスクはほとんどゼロに近くなるわけですから、これは医療費支出が極端に減少するわけで、まことに結構な限りですが、ここでロー・リスク者は病気にかかりにくい事が「科学的に」証明されたようなもんなんですから、もう保険に加入する必要がないことがはっきりしたわけです。保険料などを払う事は全く無駄な事なのですから抜けてしまいましょう。というわけで保険制度はここに目出たくギョメイギョジということになります。

若い人には「ギョメイギョジ」って何の事だかわからないかも知れませんが、「御名御璽」てのは天皇の署名と印鑑のことで、法令なんかの最後のところに天皇の署名とハンコがいるんで、そのことです。昔は学校で「教育勅語」を読んで聞かせていたもんですが、その最後のサインとハンコのところを「ギョメイギョジ」と発声したわけです。あんなもの聞いている方はチンプンカンプンだったわけですが、「ギョメイギョジ」が聞こえると「これでもうおしまいだよ」ということがわかって、餓鬼どもはみんな喜んだというわけです。それで年寄りは「おしまい」という意味で「ギョメイギョジ」と言うことがあります。全く不敬極まることであります。そんな連中は「後期高齢者医療制度」で殺してしまいましょう。

さて、そうはいっても医療保険制度がまったくないというわけにもいかないので、ハイ・リスクの人たちだけ集めて保険制度を構築することになります。ロー・リスクの人はいくら心配でも入れてあげないのですが、考えてみればそういう人も加入してもらうとリスクが分散して何かと好都合なので入れてあげましょう。そんなことを言ってたら元に戻っちゃった。ダメだなあ、もう一回やり直し。


posted by 珍風 at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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