2008年06月09日

記録されない殺人の予告

秋葉原の歩行者天国で7人殺した加藤さんの生い立ちについて、毎日新聞では「受験に失敗したエリート」みたいなこと書いてますな。受験業者によると「子どもに勉強させた方が、犯罪者の比率が低い、確率が高いですよ」だそうですが、ただしそれは途中で振り落とされなかった場合に限ります。残念ながら落とされる確率も高いんですよ。加藤さんの場合は浪人が出来なかった「家庭の事情」というものもあるんじゃないかとも思いますが。

<秋葉原通り魔>「作業服ない」騒ぐ…加藤容疑者 

 東京・秋葉原で8日起きた通り魔事件で逮捕された加藤容疑者は青森県出身で、東京都内の人材派遣会社に登録し、自動車組み立て・生産大手の関東自動車工業の東富士工場(静岡県裾野市)で働いていた。

 同工場の橋本直之・庶務広報室長(54)や人材派遣会社によると、加藤容疑者は昨年11月11日に派遣会社の面接で採用が決まり、同月14日から工場で働いていた。情報誌などの折り込み広告を見て応募。面接の際は「以前も派遣社員として自動車工場で組み立てをやったことがある」と話したという。

 工場での担当は塗装ライン。月曜から金曜の週5日勤務で1週間交代で日勤と夜勤についていたが、勤務態度はまじめで、公休以外は休まなかった。時給1300円で月約20万円の収入があった。契約期間は今年3月31日までだったが、1年間更新されていた。

 派遣社員を6月末で200人から50人に減らす計画があったが、加藤容疑者は、自分が対象ではないことを派遣会社から知らされていたという。

 一方で、加藤容疑者は5日の始業直前の午前6時ごろ「自分のつなぎ(作業着)がない」と大声を出して騒いだため、同僚がリーダーに報告。リーダーが駆けつけたときには、姿を消していた。

 この日、加藤容疑者が「犯行予告」をした携帯電話サイトの別の掲示板に「作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか」(午前6時17分)▽「やっかい払いができた会社としては万々歳なんだろうな」(午前7時44分)とあり、午後零時5分には「『誰でもよかった』 なんかわかる気がする」との記述もあった。つなぎのくだりは、加藤容疑者が騒いだ時間と近接しており、加藤容疑者が「解雇された」と誤解して書き込んだ可能性もある。

 加藤容疑者の裾野市富沢の自宅は人材派遣会社借り上げの4階建てワンルームマンション。3階に1人暮らしをしていた。管理会社によると、04年12月から派遣会社が32部屋のうち5部屋を借り上げている。入れ替わりが激しく、加藤容疑者の居住は把握していなかった。

 住民によると、加藤容疑者は半年から1年ほど前から住んでおり、時折、ジーンズにシャツの軽装で午後11時ごろに帰宅する姿が目撃されていた。ただ、約1カ月前から本人と乗っていた青森ナンバーの軽自動車が見られなくなった。住民の付き合いはなく、トラブルもなかったという。

 青森市にある2階建ての実家はひっそり。加藤容疑者の弟と中学時代の同級生だったという男性(22)は「(弟は兄のことを)『引きこもりじゃないけど、ちょっとオタクっぽいところがある』と言っていた」と評した。

 加藤容疑者は、市立佃中から県内屈指の進学校の県立青森高校に進学した。知人の娘が加藤容疑者と中学、高校で一緒だった青森市議によると、実家周辺はJR社員やサラリーマンなど転勤族や公務員家庭が多いという。「エリート校の佃中から青森高。まさにエリートだ」と話した。近所の女性も「小学生の時はあいさつをしてくれた。おとなしくて成績がいいというイメージがある」と話した。

 ◇受験失敗し専門学校に進学

 しかし、高校関係者などによると、加藤容疑者は理工系大学進学を目指したが失敗し、岐阜県内の自動車専門学校に進学したという。

 小学校の卒業アルバムによると、加藤容疑者は陸上部や将棋クラブに所属。自分の性格を「短気、ごうじょう」と記載していた。クラスで得意なものがある人を紹介するコーナーでは「多く本を読む」「足が速い」の欄でトップだった。【鈴木久美、山田毅、村上尊一】

2008年6月9日 毎日


「誤解」ですか。鈴木と山田と村上、君たちもうちょっとよく考えなさい。要するに世の中にはそういう「解雇」のやり方ってのがあるんですよ。まあ、正確に言うと理由の不明な即時解雇であって解雇を通告しなければならない人がタイミングを逸した場合、事務方としては作業服の回収などを含む手続に入っちゃってますから、翌日当人が出勤してくると服がない、ということになるんでしょうけど。加藤さんは以前そういう経験があるか、そういう目に遭った人を見ていたんじゃないですか。

鈴木や山田や村上には「そんなバカなことが」としか思えないかも知れませんが、派遣だの臨時だのバイトだのという人たちの身分というのはそんなもんです。一寸先は闇、クビになったら住むところもなくなります。派遣会社が借り上げていた部屋だって「入れ替わりが激しく」てマンションの管理会社も「加藤容疑者の居住は把握していなかった」というくらいなもので。

現にこの現場では150人の大量解雇が予定されていたわけですが、そういう時期にはこういう人たちはナーヴァスになります。作業服がなかったりしたらもう大変ですよ。関東自動車工業は不注意ですね。てゆうかどうして作業服がなかったんでしょうかね。気になりますよね。気になりませんか。そうですか。

こういう「通り魔」ってのは1970年代の後半あたりからほぼコンスタントに発生するようになっていますけど、加藤さんの場合は犠牲者が7人でした。あの宅間さんが8人でしたか。子どもだから4人分、とか言わないように。自動車を利用したとはいえかなり多数の犠牲であって、これは類似の犯罪において凶器がただの台所用品だったりするのに比べて加藤さんがダガーナイフ(おっかねえ)を使用した点にあるのではないかという気もします。町村さんもそんな気がしたようです。

政府、ナイフ規制を検討 首相、社会的背景調査を指示 

 町村官房長官は9日、東京・秋葉原の無差別殺傷事件の犯行に殺傷力が高いナイフが使われたことを受け、銃刀法の規制強化の在り方を検討する必要があるとの認識を示した。福田首相は泉信也国家公安委員長と会い「社会的背景を含めて、しっかり調べ、対応してほしい」と指示した。この後政府与党連絡会議で首相は「背景の究明が大事」と強調。公明党の太田代表は「国民に不安が広がらないように」と求めた。

2008年6月9日 共同


まあ、何もサバイバルナイフだのダガーナイフだのなんて贅沢をいわなくても、やる人は包丁でも鉈でも鉞でも斧でも肥後守でもボンナイフでも持ってきちゃうでしょうし、金属バットを振り回しながら人ごみを駆け抜けるのもアリだし、硫酸水鉄砲とか、群衆の頭上からポリタンク1杯のガソリンをぶちまけて火を放つんだとか、いろいろありますから、町村さんの思いつきは例によって例の如しとしか言いようがありません。

福田さんも「社会的背景の調査」なんてことを言ってますが、どんな「背景」を「調査」するのやら。だって最初から「犯罪」が沢山起こる、起こらざるを得ない、そんな社会に「改革」するつもりで、「犯罪」には「監視」と「厳罰化」と「裁判員」でもって対処するということで着々と「準備」を進めているところではありませんか。

自動車で突っ込んでから刃物を振り回す、というのは1999年に下関駅で5人死亡した事件がありました。実際のところ刃物なんて何でも、もしかしたら刃物なしでも、自動車だけでもかなりの被害が出ていたかも知れません。そのように考えた人も多く、2004年の茨木市では全裸の男が乗用車で5人をはねて2人死亡、2005年には仙台の商店街でトラックで7人をはね、3人が死亡しています。

実のところこれらの事件の犯人は精神異常が疑われているところであり、ちょっとキチガイには見えない加藤さんは真似っこじゃないかという人もいます。こういう「模倣犯」というのは報道から犯罪の手口を学んでるんだから、手口を報道しない方がいいのではないかというわけです。なるほど、危険な刃物を持たせないようにし、手口を学ばせないようにする。誰に?って、犯人にですよ。俺は犯人じゃないって?まあね、そうかも知れませんけど、その考えは甘い。

「刑事犯」というものは概ね、ある程度「恵まれない」「不遇な」境遇にある人がやるものです。中にはそうでもない人もいますが、圧倒的多数がそういう人たちです。ところで社会の仕組みの然らしむるところ、「国民」の大多数は多かれ少なかれ「不遇」だったり「恵まれ」なかったり、不満と不安の中で生活をしていなければならないことになっています。だからこそ「防犯」の対象は常に一般の国民でありまして、法律でもって一般的にある種の物品の所持を制限したり、一般的にある種の情報から遠ざけたりすることになります。

ということで一般の国民は、自分ではその自覚はないかも知れませんがあらかじめ「犯罪者」として名指されているのです。たまたま「まだ」法に触れるようなことはしていないかも知れませんが、それはあくまで「未だやってない」ということでしかありません。あなたはいつ「犯罪」に走るかわかったものではない危険人物です。「国民」というのは結局、お互いに一面識もない巨大な犯罪者の群れに他なりません。「防犯」というのはこの恐るべき「犯罪者集団」から「犯罪」の手段と機会を取り上げることを目標としています。

残念なことに日本人の多くがこのような「国民=犯罪者」としての自覚が足りないようです。しかしながら別の方面から見ると、実際に「犯罪者」となった人たちというのは「国民の代表」と言っても良いようなものです。まあ大多数はきわめて利己的、というか起死回生を図るビンボー人が無駄にあがいた挙げ句まわりの人に多大な迷惑をかけるだけ、というものでしかありません。加藤さんに至っては起死回生を図るなどという考えもなく、ただ闇雲にそこらを歩いてた人に酷い迷惑をかけただけのことです。しかしだからといって他にどうしろというのか。


posted by 珍風 at 21:58| Comment(3) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
納得です。
確かにそれは言えています!
だって、どんな人でもカッとなることありますよね
カッとならない人なんて、世の中にどんだけいますか?って話ですし。カッとなる人は、運悪けりゃ殺人しますよ

前科のない凶悪犯なんていくらもでもいますよね。。。

昔は、殺人犯っていうのはドラマなどで、カッとなってやっちまったというシュチエーションの放送がよくあったので誰でもなる可能性があると皆認識してたと思います
しかし最近はそういった善人の殺人犯というのは消え、冷酷殺人犯が多くなったと思います
なので、みんな殺人犯なんて遠い存在と思っているのでしょう
Posted by こうじ at 2008年08月20日 16:54
これからが楽しみなのは事実かな♪
Posted by 風俗 at 2009年09月27日 16:15
視聴者が「カッとなってやっちまった」ような犯人に魅力を感じていません。クールにぶち殺したいんだ。

「風俗」さんとこは「さっちん」とか「りりぃ」とかクールじゃない。100年前の感覚ですね。これからが楽しみです。
Posted by 珍風俗 at 2009年09月27日 20:41
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